SIerは規模が大きければ大きいほど正義です。特に大規模なNTTデータとNRIがこのSIer業界を牛耳っています。
そして、規模が大きければ大きいほど年収も高くなる傾向があります。同じような仕事をするのであれば、給料が高い方が良いですよね。このNRIやNTTデータはSIerの高給の代表格と言っても過言ではありません。
ただ、SIer業界にはそのような大手企業と比べて規模が小さい企業でも、高い年収を誇る優良企業が存在します。
今回は、売上高は小さいものの、平均年収が高い中小SIerの厳選した5社を紹介します。それぞれの特徴やキャリアパスも詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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年収の高い中小SIerランキングベスト5!
まず有価証券を確認し、中小企業の中でも平均年収が高い企業ベスト5を紹介します。厳密な定義は異なりますが、今回の中小SIerとは、売上高が500億円以下とさせていただきました。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | 平均年収(万円) |
1 | プラネット | 31 | 994 |
2 | エクサウィザーズ | 56 | 901 |
3 | ビジネスエンジニアリング(B-EN-G) | 185 | 830 |
4 | テクマトリックス | 460 | 787 |
5 | インフォコム | 480 | 778 |
※2024年有価証券報告書より
これからそれぞれの企業の特徴を紹介します。ちなみにホールディングス体制の場合、従業員数が少なく、部長クラスの割合が高いため、平均年収も高くなる傾向があります。そのため、今回は対象から除外しました。
1.プラネット
プラネットは日用品・化粧品業界向けEDI(電子データ交換)サービスの国内最大手として、業界標準インフラを担う独立系SIerです。
2024年7月期の有価証券報告書によると、営業利益率20%超・純利益率14%超という高収益体質が際立っており、平均年収も非常に高水準となっています。
主力自社サービスはメーカーと卸売業の受発注・出荷・請求・支払いなど流通基幹業務を一元管理する「基幹EDI」です。約1,500社が利用し、日用品・化粧品分野では独占的な地位を確立しています。
強みはストック型の安定収益モデルと、生活必需品を扱う顧客基盤の強さです。EDIインフラは業界に不可欠で、長期契約が多く景気変動にも強いです。法改正や業界標準化対応のノウハウ、業務プロセスへの深い知見も高評価されています。新規事業では「ロジスティクスEDI」や「POSデータクレンジングサービス」など既存基盤を活かしたサービス拡大を推進中です。
一方、事業領域が日用品・化粧品流通に特化しているため、業界構造変化やEDI以外の新規事業創出が課題となっているようです。IT技術の進化や流通構造の変化に柔軟に対応し続けることが今後の成長の鍵となります。新卒採用HPでは専門性や安定性だけでなく、社員の働きやすさや「社会インフラを支える誇り」を強調しており、長期的なキャリア形成を重視する人材を歓迎しています。
2.エクサウィザーズ
エクサウィザーズはAIを活用した社会課題解決をミッションに掲げる急成長中の独立系SIerです。2024年3月期の売上高は約84億円、平均年収は901万円と高水準です。有価証券報告書によると、売上の約7割が長期継続顧客からのストック型収益で、安定した事業基盤が特徴です。
最大の強みはオールインワン型AIプラットフォーム「exaBase」を中核とし、DX・AI導入による経営課題解決を一気通貫で支援できる点です。
企業向けChatGPTサービス「exaBase 生成AI powered by GPT-4」やFAQ自動応答、IR業務支援など、多様なAIプロダクトを自社開発し、イオンや東京電力、協和キリンなど大手企業への導入実績も豊富です。2023年には生成AI事業を分社化し、Exa Enterprise AIを設立するなど、先端領域での事業スピードも際立っています。
また、医療AI分野でも認知症診断SaMD(医療機器プログラム)開発や、ヘルスケア領域のAI活用にも注力。国内外で年間350件以上のAI/DX案件を手掛け、マルチセクター・マルチモーダル戦略で幅広い業界課題に対応しています。
一方で、AI人材の確保・育成や、事業領域の拡大スピードに伴う組織運営の難しさが課題です。新卒採用でも高い専門性と成長意欲が求められ、経営層と近い距離で事業推進に携われる環境が整っています。今後は、AIプロダクトのさらなる拡充とグローバル展開が成長の鍵となります。
3.ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)
ビジネスエンジニアリングは製造業向けのERP(基幹業務システム)やサプライチェーン領域に特化した独立系SIerです。
2024年3月期の有価証券報告書によると、売上高は約185億円、平均年収は785万円と高水準を維持しています。主力はシステムソリューション事業と自社プロダクト事業で、特に自社開発のERPパッケージ「mcframe」シリーズは国内外で2,300社以上の導入実績を持ち、製造業のデジタル変革を支える中核製品です。
ビジネスエンジニアリングの強みは30年以上にわたり製造業の現場と経営双方の課題解決に取り組んできた豊富な業務ノウハウと、長期的な顧客関係の深さです。売上の9割以上が製造業関連で、医薬・化学・食品・機械・自動車など幅広い業種をカバーしています。
また、グローバル展開にも積極的で、アジアを中心に世界30カ国以上でシステム導入実績があり、現地法人を通じたサポート体制も強化しています。
一方、事業の多くが製造業に集中しているため、景気や業界構造変化の影響を受けやすい点は課題です。また、ERP市場は競争が激しく、継続的な製品開発力とサービス品質の維持が不可欠となっています。
新卒採用ではITコンサルタントやエンジニア、プロジェクトマネージャー候補を積極的に募集し、充実した研修制度やグローバルなキャリアパスを用意。ものづくりDXの最前線で成長したい人材にとって魅力的な環境です。
4.テクマトリックス
テクマトリックスはネットワークセキュリティや医療IT、CRM、ソフトウェア品質保証など多様な分野で高付加価値ITサービスを提供する独立系SIerです。
2024年3月期の有価証券報告書によれば、売上収益は533億円、営業利益率は11.0%、平均年収は約800万円と業界でも高水準を維持しています。22期連続増収・10期連続増益という安定成長が特徴で、ストック型収益比率も約77%と高く、景気変動に強いビジネスモデルを構築しています。
事業は「情報基盤事業」と「アプリケーション・サービス事業」の2本柱です。情報基盤事業ではPalo Alto Networks社の次世代ファイアウォールなど海外最先端セキュリティ製品と自社技術を組み合わせ、企業のサイバー攻撃対策やネットワーク構築を支援しています。アプリケーション・サービス事業では医療画像管理システムやコールセンターCRM、教育向けクラウドサービス「ツムギノ」など自社開発製品も展開しています。
強みは特定市場に深く入り込む業界特化型のノウハウと、北米を中心とした最先端技術の目利き力、そして全員参加型のボトムアップ社風です。若手でも大きな仕事を任される風土や、文系出身者も活躍できる充実した研修体制も新卒採用で高く評価されています。
一方、事業領域の拡大や自社製品のさらなる強化、グローバル展開が今後の課題です。安定した経営基盤とチャレンジ志向の社風を背景に、今後も成長が期待される企業です。
5.インフォコム
インフォコムはヘルスケア、エンタープライズ、サービスビジネス、ネットビジネスの4事業を展開する独立系SIerです。2024年3月期の売上高は約845億円、従業員数は連結1,431名、平均年収は有価証券報告書で約787万円と高水準を維持しています。
医療機関向けITソリューションや製薬企業のMR活動支援、緊急連絡・安否確認システム、ERP「GRANDIT」など自社開発パッケージを多数保有し、社会インフラを支える事業基盤が強みです。
特にヘルスケア分野では放射線・薬剤・診療情報管理システムなど病院の基幹業務を支えるITサービスを提供し、長年の実績と業界知見が評価されています。ネットビジネス領域は電子コミック配信サービス「めちゃコミック」が主力で、BtoC市場でも高いブランド力を持ちます。BtoBとBtoCの両軸で安定した収益基盤を築いている点が他社との差別化ポイントです。
一方、事業領域が広い分、競争も激しく、医療ITや電子書籍市場の変化への迅速な対応力が今後の課題となります。新卒採用では社員の成長と働きやすさを重視し、専任看護師やマッサージ師常駐など健康面のサポートも充実しており、平均勤続年数15.3年と定着率も高く、長期的なキャリア形成を志向する人材に適した環境です。
今後はAIやIoTなど新技術の研究開発や新規事業創出を加速し、社会課題解決型のICT企業としてさらなる成長を目指しています。
【まとめ】大手SIer以外にも待遇が良い企業は存在!
本記事は売上高500億円以下で平均年収が高いSIer上場企業を厳選し、それぞれの強みや特徴を紹介しました。
- プラネットのように特定業界のインフラを担う
- エクサウィザーズのようなAI先端技術特化型
- ビジネスエンジニアリングやテクマトリックスのような業界特化型SIer
- BtoBとBtoC両軸で成長を続けるインフォコム
など、規模や事業領域は異なりますが、いずれも高い専門性と収益性、そして社員への高い還元を実現しています。
個人的にはSIerを考えているのであれば、大手であればあるほど良い。と考えていますが、しっかり業界分析や企業分析を行えば、このような隠れた高収入のSIerも発見することができます。
そして、それらの企業は働きがいや成長機会、そして安定したキャリアを築くことができます。各社とも自社製品や独自ソリューション、ストック型ビジネスモデル、業界特化のノウハウなど独自の強みを持ち、変化の激しいIT業界の中でも確かな存在感を発揮しています。
また、企業選びの際は単に規模だけでなく、
- どんな技術やサービスで社会に貢献しているか
- どのような働き方や成長環境があるか
といった観点も重視しましょう。そしてこのような情報は志望動機に付け加えられるとGOODです。良い就活を送れるように頑張りましょう。
ちなみに就活は企業探しよりも、自己分析が非常に大事です。キミスカの適性検査を受けることで、自己分析に活かすことができますので、ぜひ活用してみてください。
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