ここ最近クラウド関連、特にAWSの需要は高まるばかりです。実際にオンプレからクラウドへ移行している企業も多数存在しています。
SIerと言えばCOBOLなどの古いプログラミング言語、マネジメント重視でクラウドとは無縁でしょう?と思っている方も多いのではないでしょうか。世間一般的なDX推進の煽りを受け、クラウドとは無縁の部署もAWSやAzureなどの資格を取得するように上司から言われています。
実際の業務に生かせるかは微妙ですが、私も会社から『AWS(AWSクラウドプラクティショナー)の資格を取れ。』と命令があり、無事合格しましたので、今回は私が実践した勉強法を紹介します。
AWSクラウドプラクティショナーの資格自体は比較的容易に取得できます。もちろん大学生でも少し勉強をすれば取得できるレベルです。もしITに興味があるのであればぜひ勉強を始めましょう。
過剰な期待はできませんが、就活を有利に進められるかもしれません。
Contents
AWSクラウドプラクティショナーを取得した現役SIer社員の私のスペック
まず本題の前に私のスペックを紹介しておきます。
- 出身大学:MARCH理系(非情報系)
- 現在の職種:ユーザー系SIerのSE(事業会社からの出向)
- 仕事の領域:アプリメイン(クラウドには一切関わらない部署)
- 勉強期間:3週間(平日2時間程度、休日5時間程度)
と平凡です。普段の仕事でもクラウドに関わったこともなく、『AWSって何?』のような知識から始まりました。
ちなみにIPAの資格では基本情報技術者試験と応用情報技術者試験には合格しており、情報処理安全確保支援士にも合格しています。一定のITスキルについては保有していると自負しています。
そのため、地頭が良い訳でも悪い訳でもなく、SEの中でもいたって普通と考えてもらえればと思います。
AWSクラウドプラクティショナーの難易度は?
気になるAWSクラウドプラクティショナーの難易度ですが、AWSの資格系の中では一番簡単な資格と言われています。このAWSクラウドプラクティショナーを取得した後は、
- ソリューションアーキテクト
- デベロッパー
- アドミニストレーター
など、その人のキャリアに沿って分岐していきます。ちなみにAWSクラウドプラクティショナーは「6ヶ月間の基礎的な~」と記載されていますが、そのような経験は全く必要ありません。誰でも挑戦できる資格です。この試験を通して、AWSの概要を理解することが目的の方も多数います。
SIerの方であれば、IPAの資格でもあるITパスポート、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験に馴染みがあるのでしょう。
AWSクラウドプラクティショナーはAWSをエンジニアとして構築するよりも、AWSを実際に使うユーザーの意味合いが強いですので、IPAの中ではITパスポートのような入門的な資格の位置付けです。
IPAの資格と難易度の比較はできませんが、
- 知識自体は、応用情報技術者試験と同等以上のレベル
- 出題範囲が狭く選択式なので、基本情報技術者試験と同等、それ以下の合格のしやすさ
と主観的に感じました。これはあくまで個人的に感じことなので、もっと簡単、もっと難しいなど感じている方もいるかもしれません。あくまで目安と思ってください。
AWSクラウドプラクティショナーの試験制度は700点以上を取得すれば合格となります。1,000点満点ですので、7割ほど取れば合格です。
実際に私も700点台ギリギリで合格することができました。この試験においては800点や900点を取る必要はなく、700点以上を取得できれば良いのです。これからそのための勉強法を紹介していきます。
AWSクラウドプラクティショナーに3週間で合格する勉強法は?
私が使用していたツールは以下の2つです。
- 参考書:AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー
- Udemy:この問題だけで合格可能!AWS 認定クラウドプラクティショナー 模擬試験問題集(7回分455問)
AWSクラウドプラクティショナーの合格が目標であれば、この2つだけで十分です。
厳密にはAWS主催を含む社外セミナーにも参加していましたが、合格だけを目標にしているのであればこのようなセミナー受講は不要です。
AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー
まずは『AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー』という市販の参考書です。
紙でも電子でも、好きな方を選んでください。クラウドプラクティショナー関連の参考書は数少ないですので、多くの方がこちらの参考書を選んでいます。他にもあるかもしれませんが、そこまで大差はありませんので、こちらで良いかと思います。
こちらの本はAWSの基礎から説明されていますので、辞書的な役割も望めます。このAWSクラウドプラクティショナーの認定試験ではAWS固有のサービス名も問われます。AWSに触れたことが無い方は、サービス名なんて知るはずがありませんので、まずはこの本から読み進めましょう。
それぞれの章毎に復習テストが載っていますが、明らかに演習不足です。そのため、次に紹介する問題集も並行して進めることをおすすめします。
また、前述した通り、辞書的な役割を望めますので、今後仕事でAWSに関わるときにも役に立ちますので、購入して損はありません。
この問題だけで合格可能!AWS 認定クラウドプラクティショナー 模擬試験問題集(7回分455問)
『AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー』は辞書的な立ち位置でしたので、アウトプットも必要です。参考書のみ詰め込んだ知識だけではなく、必ず問題集を用いてアウトプットもしてください。むしろこちらの方が遥かに大事です。
私が使用していたのはUdemy
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AWSのサービスは次々に追加されることもあり、『AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー』ですべて網羅されれいる訳ではありません。こちらに載っていないAWSサービスや知識も出題されることがあり、『この問題だけで合格可能!AWS 認定クラウドプラクティショナー 模擬試験問題集(7回分455問)』で知識を補う必要があります。
この問題集では
- 基本レベルが2回×65問
- 応用レベルが3回×65問
- オプショナル問題が2回×65回分
が収録されています。こちらは全て解く、覚える必要がありません。基本レベルの2回(①と②)と応用レベルの3回(①と②と③)で十分ですし、時間がなければ基礎の2回分(①と②)のみでも何とか太刀打ちできます。オプショナル問題はレベルが高いですので、解く必要はありません。自信を失くすだけです。もちろん知識として覚えておくことに越したことはありませんが。
こちらの問題集のメリットはインターネット上で問題を解きますので、手元にあるスマホやタブレット、PCなどの様々な媒体からすぐにアクセスできます。私は通勤時に電車の中でタブレットを用いて解いていました。
反対にデメリットとしては1問1答式ではなく、回答は65問を解いた後に見られることです。基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などを受験していた方は、『過去問道場』のような1問1答形式に慣れているかと思われます。残念ですが、本番さながらの試験に沿って問題を解くしかありません。
定価は2,400円程度ですが、頻繁にセールをやっており1,800円程度になることも多数あります。もし時間があるのであれば、このように割引になることを待ってみた方が良いでしょう。
AWS主催の有料セミナー
AWSクラウドプラクティショナーに向けてAWS側でもハンズオンなどの有料のセミナーを開催しています。会社から補助が出たので受講しましたが、AWSクラウドプラクティショナー合格だけが目標であれば、このようなセミナーは必要ありません。
まず受講料が高いです。確か7万円を超えています。私の場合は会社から補助が出たので、手出しはありませんでしたが、合格だけが目標の方には不要でしょう。
一方で、これから仕事でAWSに関わって行く方は、
- AWSのインスタンスの作成や起動、停止方法
- AWS内にVPCの作成方法
- IAMロールの付与の仕方
など、業務に必要な作業をハンズオン形式で進められますので、受講してもよいかもしれません。当記事は合格のみに焦点を当てていますので、あくまでセミナーはおすすめしないスタンスです。
AWSクラウドプラクティショナーに3週間で合格した私の勉強法スケジュールを公開!
1週目
まずは『AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー』を1週間程度で読みました。仕事終わりに2時間程度を確保し、土日に少し時間を取れば、十分読み切れる量です。
ここでは一語一句を覚えると言うよりは、
- AWSにはこんな機能があるのか
- AWS上ではこんなことができるのか
のようにAWSとはどんな感じなのか流し読みしていました。1週目はその程度で十分です。ここではアウトプットよりもインプットで、むしろインプットというよりも雰囲気を味わうイメージです。
そしてこちらの本は辞書的な立場で2週目以降も活用していきますので、メルカリなどで売らないようにしてください。
できればこの1週間目から、エクセルなどで似ているサービスをメモしておけると良いです。例えばセキュリティやコンプライアンス、データベースなど似ているサービスが多く存在しますので、段々ごちゃごちゃになってきます。思考の整理のためにもまとめておくと、後々楽になります。
このまとめ作業ができていると、2週目以降のアウトプット時もスムーズにできるでしょう。
2週目~3週目
2週目からはひたすら『この問題だけで合格可能!AWS 認定クラウドプラクティショナー 模擬試験問題集(7回分455問)』の問題を解いていきます。前述の通り7回分の内、5回分を解けば十分です。そのため、1日2回分を解けば十分合格できるでしょう。
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基本情報技術者試験などを受験している方は分かると思いますが、この問題演習が一番大事です。とにかく何度も繰り返し問題と解いて、9割以上は回答できるようにしてください。
ワンポイントアドバイスとして、ここで分からなかった単語は解説を確認しつつ、『AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー』でもチェックします。そして出題された問題の周辺知識も一緒に調べます。例えば、
- AWS Shieldはセキュリティ系で○○という役割がある
- セキュリティといえばAWS WAFもあったけど、こっちの役割は○○だった
のように、似ているAWSのサービスをエクセルでまとめていきました。
ちなみに問題集やテスト本番では『AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー』に載っていないサービスも出てきます。分からなかった場合はインターネットで調べるか、捨て問として調べないと割り切るのも一つの手です。
IPAの試験と同様に、AWSクラウドプラクティショナーでも満点を取る必要はありません。7割を目指すので捨てるサービスや領域があっても問題ありません。
【まとめ】AWSクラウドプラクティショナーは3週間の対策で十分!
これまでお話した通り、
- AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー
- この問題だけで合格可能!AWS 認定クラウドプラクティショナー 模擬試験問題集(7回分455問)
の参考書と問題集があれば3週間で十分合格可能です。むしろ頭の良い方は10日ほどで合格できる内容でしょう。
この程度の資格で転職に有利になるかと言われるとそうは思いませんが、持っておいて損はありません。
今後はよりクラウドの重要性も増してきますし、クラウド領域のスキルや知識は重宝されていきます。もちろんSEのみに限らず、ビジネス部門の方もこのクラウドスキルは求められますので、ぜひ挑戦してみてください。
SIer社員であれば基本情報技術者試験や応用情報技術者試験も必須級の資格です。これらは若い内の新卒1,2年目で資格取得しておきたいです。
というよりも、できる社員は1年目の春に基本情報技術者試験、1年目の秋に応用情報技術者試験を取得します。大学生の内からでも参考書を読んで雰囲気は掴んでおきましょう。