学生の皆さんは老後2,000万円問題を知っていますか?これは金融庁の「市場ワーキング・グループ」が公表した報告書の内容が世間一般に大きく取り上げられて話題になっています。
老後のことなんて40歳、50歳になってから考えれば良い。と思っていると痛い目を見るでしょう。若いうちは独身なので、自分のためのお金があれば良いかもしれません。しかし、30歳になると結婚をしたり、子供も生まれたり、家や車を買ったり、子供の教育費、親の介護費だったりと自分以外のことも考えなくてはいけません。
そのため、大学生・社会人の若い内からマネーリテラシーを身に付けることで、老後も不自由なく生きていくことができます。
今回は大学生・社会人1年目の内から読んでおいた方が良い『お金の本』を紹介します。
Contents
まずは投資の前に考える!お金を手元に残す方法は何?
投資を始めるにも、まずは資金が必要です。基本的に生活資金を投入することはNGです。あくまで最悪無くなっても今後生活できる余剰資金を使用してください。
そのような資金を捻出するには、大きく2つの方法があります。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
シンプルですが、自分の手元にお金を残すには上記の2つしかありません。どちらか片方を実践するのも良いですが、両方行うとさらに資金が溜まりやすいです。当たり前ですね。
収入を増やすには、
- 給料(基本給)の高い会社に入社
- 残業を目一杯して残業代を稼ぐ
- 副業をして収入源を増やす
が考えられます。給料が高い会社は商社、銀行、生保、損保、証券などが挙げられます。SIer志望者の方は以下の記事を参考にしてみてください。
ここまでまとめると以下のようになります。
今回は収入を増やす方にはスポットを当てません。就職前に残業をすること・転職活動をすることは無理がありますしね。そのため、あくまで支出を減らし、その浮いた分を投資に充てるような考え方で紹介していきます。
『支出を減らす』前に、お金全般系を読んでおこう!
本当の自由を手に入れる お金の大学 / 両@リベ大学長
貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う
一生お金に困らない「5つの力」の基本!
YouTubeでも評価の高い両@リベ大学長著の本です。フルカラーで図解とイラストがぎっしり使われていますので、流し読みでも頭に入って来やすいです。
お金の中でも、
- 貯める
- 稼ぐ
- 増やす
- 守る
- 使う
と、一生お金に困らない『5つの力』の基本を紹介しています。今すぐ実践できるようなことばかりです。特に副業と言ったことは働く前から少し意識したいことです。
今の世の中は副業解禁している企業もあり、ますます稼ぐ力が必要になってきます。そのようなことから、『自分にはどのような副業ができるのか』を考える良いきっかけになるかもしれません。
個人的には最近出てきた本の中で一番おすすめです。悩んでいる方は、まずは両@リベ大学長のリベラルアーツ大学(YouTube)から観てみても良いかと思います。その中で面白い!と思ったら本も買ってみてください。
誰も教えてくれないお金の話 / うだひろえ
お金が貯まらないのって、そういうことだったの?
思わず「目からウロコ」が連続の誰も教えてくれないお金の話。
一生使える“お金の智恵”が詰まったコミックエッセイが登場!
まだ学生のうちには馴染みのない、保険や住宅ローン、社会保障に年金。そのようなことをシンプルに分かりやすく書かれています。
社会人になっても、保険や年金、税金といったことは理解しにくい分野です。この難しい分野を少しでも理解しておけば、お得に暮らすことができます。知っていると知っていないでは大違いです。
そのような難しい分野についても、この本の最大の特徴は『コミックエッセイで書かれている』ので読みやすい点です。活字嫌いの方にもスラスラ読むことができますので、お金の本を読んだことがない方にも、かなりおすすめな本です。初心者と思う方はまず読んでみてください。
節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本 / 朝日新聞出版
「稼ぐ」「使う」「貯める」「納める」「増やす」etc.……
お金を機能別に章分けし、一からおさらいできる実用書。
スタイリッシュなイラストやインフォグラフィックを使用して、
誰にでもわかるように解説。
お金って何だろう? から、 年金・納税・仮想通貨まで。
寿命100年時代に対応する、お金の教科書最新版。
お金とは、
- 稼ぐ
- 収める
- 貯める
- 使う
- 備える
- 増やす
といった7章建てで解説。特に『稼ぐ』、『収める』、『使う』といったチャプターでは、私も知らない驚くことばかりでした。
こちらもオールカラーでイラスト付きと言った、活字嫌いにはもってこいの本です。そして網羅的に書かれているので、一読するだけでなく、人生の教科書として本棚に取っておきたい一冊です。図がベースで書かれていますが、情報量も多く、申し分ありません。
『誰も教えてくれないお金の話』はマンガベースでやや情報量が薄い印象を受けが、活字嫌いの方にはおすすめですが、より情報を求めるならこちらの『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』がおすすめでしょう。
お金2.0 / 佐藤航陽
2.0のサービスは、概念そのものを作り出そうとするものが多いので、既存の金融知識が豊富な人ほど理解に苦しみます。あまりにも既存社会の常識とは違うので「今の経済」のメインストリームにいる人たちにとっては懐疑や不安の対象になりやすいといった特徴もあります。そして、それこそが全く新しいパラダイムであることの証でもあります。本書ではまずお金や経済の仕組みから、テクノロジーの進化によって生まれた「新しい経済」のカタチ、最後に私たちの生活がいかに変わるか、の順番に解体していきます。
佐藤さんと言えば、メタップスの代表取締役です。そのメタップスと言えば、最先端のフィンテック事業を手掛けています。そのようなフィンテック事業の最先端を行っている会社の代表取締役が書いている2018年のベストセラー本です。
最先端のブロックチェーン技術やビットコイン(仮想通貨)、VALUなど新たな技術や新たな価値を初心者にも分かりやすく書かれています。これらはお金ではない価値で、今までの『資本主義』から、価値に重きが置かれる『価値主義』に変わっていく。といった事が書かれています。
今まで紹介した本は投資やお金についてでしたが、『お金2.0』ではこれからお金に変わる価値の話が基本的です。これからの経済がどうなっていくのか、テクノロジーも交えて解説されていますので、読んでみると面白い本です。
投資を始める前には、支出を減らすことが最優先!節約系ライフハック
投資を行う上で重要なのは余剰資金で行うことです。生活資金まで投入してしまうと、もしマイナスになった場合、生活することができません。そのため、必ず余剰資金で行ってください。
その余剰資金を作り出すには、まずは生活の見直しです。不要なものや無駄なものは削除しましょう。そこで今回節約系ライフハックのおすすめ本を紹介します。
この1冊でお金に困らない! 節約ハック大百科 / 松本 博樹
ブログ『ノマド的節約術』でお馴染みの松本さんが著書の本です。
ブログでも多くの参考になることが多数書いていますが、その中から抽出して中身を凝縮させたようなエッセンスが詰まっています。「節約テクニック」を84個厳選されており、スラスラ読みやすい本となっています。
例えば普段使っているJRのお得な乗り方、銀行のお得な利用方法など身近なことから書かれているので、実践しやすいです。抽象的ではなく、具体的に書かれていますので、すぐに行動に移せるのは良いポイントですね。
投資を始めるには、まずは投資信託について読んでおこう!
前述のお金全般系のどれか一冊を読めばわかると思いますが、投資といっても選択肢は多数あります。株やFX、投資信託にソーシャルレンディング、仮想通貨など様々です。
その中でお手軽なのが『投資信託』です。毎月千円単位から購入可能ですので、初心者であれば、尚更おすすめです。
はじめての人のための3000円投資生活 / 横山光昭
2017年年間ベストセラー第1位! ! !(ビジネス書 日販調べ)
まだ3000円投資生活を
始めていない人、損をしてます!
タイトル名に3,000円とありますが、『少額でも良いから投資を初めましょう。』という本です。つまり何が言いたいかと言うと、自分の手で投資をしましょう。ということです。
複利の力を使えば、たとえ月3000円を投資すると、30年で350万円ほどになります。これは何が言いたいのかと言うと、大きく2つです。
- コツコツ投資することが大事
- 若い内から資産形成をすることが大事
できれば大学生の内から毎月1,000円でも良いので、投資を始めておきたいです。毎月たった1,000円を積み立てるだけでは、もちろん億万長者にはなれません。あくまで経験を1,000円で買っています。若い内からこのような投資経験があるのは今後の人生においてかなり大きいと思います。
超初心者向けに書かれていますので、まずは書店にてパラパラ読んでみることが良いかと思います。必ずしも全員読む必要はありません。
お金は寝かせて増やしなさい / 水瀬ケンイチ
こちらも投資界隈では名著と言われている本です。個人的には『はじめての人のための3000円投資生活』よりも『お金は寝かせて増やしなさい』の方が読みやすく好きです。
投資信託の中でも『インデックスファンド(投資)』と『アクティブファンド(投資)』と呼ばれる大きく2種類に分けられます。
どちらもメリット・デメリットがありますが、こちらの本では『インデックスファンド(投資)』を推しています。それもそのはずで、
国内株式クラスのアクティブファンドのインデックスファンドに対する勝率は、1年で26%、3年で33%、5年で39、10年で32%
引用:お金は寝かせて増やしなさい
という調査結果があります。アクティブファンドはインデックスファンドにおおよそ3割程度しか勝っていません。逆に言うと、アクティブファンドよりインデックスファンドの方が7割勝っています。
実際にインデックスファンドに15年以上も投資している著者が分かりやすく書いています。15年と言えば短く感じるかもしれませんが、日本でまともなインデックス投資ができるようになってから、まだ10年も経っていないようなので、先駆者と言っても過言ではないでしょう。
資産運用はやっぱ株!株とは何か?初心者向けの投資本を紹介
投資信託はおおよそ5%程度のリターンは得られるものの、宝くじのように莫大なリターンを得ることは難しいです。そのため、投資信託よりも株に興味がある方もいるかもしれません。そのような方向けに株のおすすめ本を紹介します。
注意してほしいのが、そもそも全般的に投資は自己責任です。この本を読んだからといって必ず勝てる(資産が増える)訳ではありません。
いちばんカンタン!株の超入門書 / 安恒 理
投資初心者にとっては『株』という存在が分からないかもしれません。もっと言えばギャンブルみたいなもの、怖いものというイメージかもしれません。
まず株を買うには口座を開設しなくてはいけません。口座開設後に株の買い方から売り方など超初心者向けに入門書の位置付けで書かれています。
こちらも活字ではなく図解、オールカラーで書かれていますので、本が苦手な方でもすっと頭に入ってきます。
バカでも稼げる 「米国株」高配当投資 / バフェット太郎
先程紹介した『いちばんカンタン!株の超入門書』を読めば分かるかと思いますが、株を保有していると配当金が貰えます。そもそも会社が得た利益は会社の物というよりも株主の物の見方が強いです。そのため、その利益を会社は株主へ配当金を支払います。
配当金は会社によって異なり、一銭も貰えない会社や多くの配当金を貰える会社も存在します。日本の平均では投資額に対して約2%前後の配当金が貰えます。
この配当金にスポットを当てたのが、この『バカでも稼げる 「米国株」高配当投資』です。配当金は投資額の約2%と言いながらも、実は5%を超すような企業も存在しています。そのような高配当な会社に投資し、『複利の力で資産を増やしましょう』という本です。複利の力と言えば、前述した『投資信託』とも話が被りますね。
実は米国株は為替の問題も関わってきますので、少し初心者には難しいかもしれません。しかし、この考えは例え日本株にも通用することができますので、一読する価値はあります。
定年後も安心! 桐谷さんの株主優待生活―50歳から始めてこれだけおトク / 桐谷 広人
先程の『バカでも稼げる 「米国株」高配当投資』では、会社の株を買うと配当金が貰えると述べました。
一方で、会社の株を保有していると株主優待が貰える会社もあります。
株主優待とは、『うちの会社の株をもっていてくれてありがとう!』という気持ちをこめて、企業が株主に対して贈るものです。株主優待の内容は、「自社の製品」や「優待食事券」など、企業によっていろいろです。
引用:楽しい株主優待
株主優待は企業によって異なり、自社製品のみならず、クオカードにギフト券、お米やカタログギフトなど普段の生活に約立つものばかりです。
そんな株主優待を愛する人が桐谷広人氏です。月曜から夜ふかしを見ている方には、馴染みがあるかもしれません。私もこの月曜から夜ふかしで桐谷さんを知り、魅力にハマりました。
株主優待だけで生活していると言っても過言ではない桐谷さんがおすすめする株主優待も紹介していますので、まずはそのような会社から購入してみるもの良いと思います。
大学生の内に読んでおきたい投資本のまとめ
世の中には投資本がたくさんありますが、まず意識してほしいのは投資を始める前の準備段階です。そのため、今回は投資本に限らず、
- お金について
- 支出を減らす
- 投資をする(投資信託を購入する)
の3つのテーマに絞って紹介しました。
10冊ほど紹介しましたが、それぞれのテーマから1冊程度手に取って実際にパラパラと読んでみてください。人それぞれ感じるものが違いますので、必ずこれを読め!という本はありません。『この本読みやすいな』と自分のフィーリングで感じたものがあれば、購入して家でじっくり読みましょう。
投資は複利の力が効いてきます。少額でも若い内から始めれば始めるほどリターンが得られます。ぜひともお金・投資の知識を蓄え、余裕のある生活を送りましょう。
最後になりますが、投資は資産が増えるだけではなく、減ることもあります。こちらに関しては自己責任です。減らないようにするには知識を付けることが必須です。インターネットだけの情報ではなく、様々な本を読み漁り、知識を蓄えていきましょう。
そして今回は支出を減らし、投資をする資金を捻出するための本も紹介しています。もちろん、収入を増やすことも重要ですので、就活生は以下の記事を参考にし、就職先を決めてください。