就活生の皆さんはSIer(エスアイアー)って業界を知っていますか?
この記事に出会っているということはSIerを知っていると思いますが、就活を始めるまでは知らなかった方も多いかと思います。実際に私もSEとSIerの違いは知りませんでした。
そこで今回は、
と思う就活生の方向けに、現役SEでもある私が『SIerとSEの違い』をできるだけ詳しく解説していきます。結論から言うとSIerは企業、SEは人を指しています。
- SIerって何?
- SEって何?
- それぞれどんな特徴があるの?
Contents
SIerとSEの違いは何か?現役ユーザー系で働いている立場から解説!
そもそもSIerとは何か?
こちらはウィキペディアより引用します。
システムインテグレーター(英: Systems Integrator)は、個別のサブシステムを集めて1つにまとめ上げ、それぞれの機能が正しく働くように完成させるシステムインテグレーション事業を行なう企業のことである。
なんだかよく分からず、パッとしませんね。SIerとは言い換えると、お客様のシステム開発を行う『企業』のことです。
就活を始めれば分かると思いますが、日本にはメーカーや商社、銀行、不動産、飲食など様々な業界があります。SIerもそのような業界の一つであり、主に企業のことを指しています。
ちなみに例えばメーカーと一言で言っても、
- 自動車部品
- 食品
- 飲料
- 素材
などがあるように、SIerも、
- ユーザー系SIer
- メーカー系SIer
- 独立系SIer
と大きく3種類に分類することができます。
ユーザー系SIerとは親会社(事業会社)を持つ会社で、元々は『そのような事業会社のIT部門・情報システム部門が大きくなりすぎたので、システム会社として独立させた』ようなイメージと考えてもらえればOKです。
例えば三菱UFJ銀行のIT部門が大きくなりすぎたので、三菱UFJインフォメーションテクノロジー(会社)として独立させた。のようなイメージです。
その他メーカー系SIerや独立系なども様々な背景を元に設立された会社ですので、詳細を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
そもそもSEとは何か?
こちらもウィキペディアより引用します。
システムエンジニアは、大雑把に情報システム関連の業務に従事する者を指す用語である。
つまりシステムエンジニアとはシステム開発を行う『人』のことを指しています。
おそらくこのSEはSIerよりもイメージしやすいと思います。今の世の中には、営業や事務、人事、経理、看護師、医者と様々な職種があります。
SEと言えばどのような印象を持っていますでしょうか。
- 給料が高い
- 給料が低い
- 常にパソコンと向き合っている
- プログラミングができる
- PCに詳しそう
- 帰るのが遅そう
- 残業が多そう
など、感じ方は人様々です。そして会社によっても特徴は全く異なります。ユーザー系SIerやメーカー系SIerでは文化も違いますし、独立系SIerも全く異なります。
ちなみに給料に関してSE職は、日本の平均給与よりも少し良いと言われています。しかし、その中でも1,000万円に届く企業は極少数です。
SIerは成果主義と言うよりも年功序列が根強いです。営業のように物を売れば給料が上がることもなく、SEとしての能力は評価が難しいこともあり、同期などと差が付きにくいです。
つまり、SEはとしての能力に依らず、入社する企業によって決まってしまいますので、『給料』を入社の一つの目安に考えるのも良いです。
脱線しましたが、SIerとSEの違いをまとめると以下の通りです。
SIerにはどんな会社がある?大きくユーザー系、メーカー系、独立系と分けられる
システム開発を行っている会社のことをSIer(エスアイアー)と呼んでいることは分かりましたが、実際にSIerにはどんな会社があるのでしょうか。
今の日本では大きく通りに分けることができます。
- ユーザー系SIer
- メーカー系SIer
- 独立系SIer
ユーザー系SIer、メーカー系SIer、独立系SIerを一つ一つ紹介します。もっと詳しく知りたいのであれば、以下の記事が参考になります。
SIerのユーザー系とは?
ユーザー系とは、企業の社内情報システム部門が大きくなりすぎたので、独立させたような会社です。
ユーザー系は金融系や商社系に多いです。多くの大企業はユーザー系子会社を持っています。
- 銀行:三菱UFJ銀行→三菱UFJインフォメーションテクノロジー
- 損保:東京海上日動火災保険→東京海上日動システムズ
- 証券:日興証券→日興システムソリューションズ
私が実際に選考を受けたユーザー系の会社は以下の通りです。選考情報を載せているので、参考にしてください。
SIerのメーカー系とは?
メーカー系SIerとは、元々サーバーやPCのハードウェアメーカーの、一部門が独立したような会社です。メーカー系とは、NECや日立、富士通などが当てはまり、NTTデータもこの分類に入ります。
- NEC系→NECソリューションイノベーター
- 日立系→日立ソリューションズ
- 富士通系→富士通エフサス
- NTTデータ系→NTTデータウェーブ
こちらは私が実際に選考を受けたメーカーや系の会社です。同様に選考情報を載せているので、参考にしてください。
SIerの独立系とは?
独立系とは、特定の親会社を持たずに経営が成り立っているSIerです。
ユーザー系やメーカー系は親会社のしがらみもありますが、独立系は親会社を持たないので、自由にできる傾向があります。
- TIS
- 富士ソフト
- 大塚商会
独立系はあまり選考を受けませんでしたが、一覧にしています。数少ないですが、参考になればと思います。
もっと詳しくユーザー系SIer、メーカー系SIer、独立系SIerを知りたいのであれば、以下の記事が参考になります。
SEをより細分化するとどんな職種?
SEと一言で言っても、実際はたくさんの種類があります。
世間のイメージや、就活生の多くの方にとってはこのように思っている方が多いと思います。確かにプログラミングをしている方もいますが、実はまったくプログラミングをしないSEもいます。
会社によってSEの呼び名が異なることがあるものの、おおよそ次の通りに分類できます。
- アプリケーションエンジニア
- ネットワークエンジニア
- データベースエンジニア
- ミドルウェアエンジニア
- 組み込みエンジニア
- サーバーエンジニア
- セキュリティエンジニア
- プロジェクトマネージャー
- セールスエンジニア
- ITコンサルタント 等
様々なSEがいるように、求められていることも異なります。例えばユーザー系SIerの場合、
- 最初はアプリケーションエンジニア:システム設計からプログラミング、テストなど下流工程に関わる
- 経験を積んだらプロジェクトマネージャー:企画からプロジェクト全体の進行管理など上流工程に関わる
のようなキャリアパスが一般的です。
ちなみにSEというのはSIer以外に、WEB系の会社にも用いられます。今回のSEとはあくまでSIerの中の人を指しています。
【人か企業か】SIerとSEの違いのまとめ!
この記事では、SIerとSEの違いが理解できれば良いかと思います。
より詳細なSIerの中でもユーザー系、メーカー系、独立系について知りたい方は下記リンクに詳細に記載していますので、是非一読してみてください。