就活をしているとSIerの中でも元請け、1次請け、2次請けなどと呼ばれているのに気がつくでしょう。元請けが頂点に位置し、そこから2次請け、3次請けとなっているピラミッド構造を見たことあるはずです。
もちろん元請け(1次請け)に就職できれば一番良いはず。そもそも元請け(一次請け)とは、
- どのような企業が当てはまるのか
- どのように探せばよいのか
が、気になっている方も多いでしょう。今回は現役SEでもある私が、元請け(1次請け)企業の探し方や具体的な企業を紹介します。ぜひ参考にしてみて有意義な就活を送ってください。
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SIerの元請け(1次請け)は具体的にどんな企業がある?
そもそも元請け(1次請け)とは下記のようなSIerのピラミッド構造の一番上に位置しています。
ちなみに
- 元請け→1次請け→2次請け→3次請け
- 1次請け(元請け)→2次請け→3次請け
と、『元請け』と『1次請け』を明確に分けている、同義として捉えている企業はサイト様々です。当ブログでは元請けと1次請けは同義として扱います。
この元請け(1次請け)の頂点に位置する企業は大手SIerが主に占めており、メーカー系、ユーザー系、独立系など漫勉なく存在します。例えば、
メーカー系
- NTTデータ
- 日立
- 富士通
- NEC
ユーザー系(外販)
- NRI
- SCSK
- CTC
- ニッセイ情報テクノロジー
- みずほ情報総研
独立系
- TIS
- 富士ソフト
などの企業が挙げられます。もちろん例ですので、他にも無数に存在します。良く聞くような大手SIerであれば、ほぼ元請け企業(1次請け)と思ってもらっても大丈夫です。
ちなみに『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」』では、みずほ銀行のシステム統合プロジェクトに関わっていた元請け(1次請け)ベンダーが一例で載っています。
実際こちらに記載の通り、NTTデータや日本IBM、日鉄ソリューションズにDTSなど70~80社程度存在します。
就活生は実際のSIer現場では何が起きているのかイメージできていない方も多いでしょう。実際に読んだり働いてみると分かりますが、大きな問題はスキル(技術)よりもコミュニケーション不足の方が多いです。
また、実はみずほ銀行と同じような境遇に置かれている企業は多いです。SIerに入社すると、どのような点に苦労するのかに気がつける1冊となっています。
就活時に『最近読んだ本は?』と聞かれた場合の話の種になるので、是非読んでみてください。
SIerでの元請け(1次請け)を調べる方法は?見分け方を教えます!
元請けを調べる方法は単純明快です。それは企業の取引先を見ることです。
例えばユーザー系SIerと言えども外販にも力を入れているSCSKであれば、『SCSK 取引先』とGoogleで検索すると、以下に辿り着きます。
引用:SCSK株式会社 2020年3月期 決算補足資料
この資料を見ると、
- トヨタ自動車
- 住友商事
- MS&AD
- KDDI
のような事業会社と取引があることが分かります。言い換えると、このような会社から仕事を受注(元請け、1次請け)となっています。
一方で、例えばリクナビで情報通信の企業を調べると、一番上に表示されていたウィッツ株式会社では、以下のような取引先がメインとなっています。
これだけを見る限り、TISやNRI(野村総合研究所)などの大手SIerと取引があると読み取れます。先程紹介したSCSKではトヨタなどSIer業界ではなく、事業会社との取引でした。
つまりウィッツ株式会社では、事業会社ではなくTISやNRI(野村総合研究所)などの大手SIerから仕事を受注しており、ピラミッドに当てはめると、2次請け以降と読み取ることが出来ます。
これらをまとめると、取引先に以下のような企業を含めていると、
- 取引先が事業会社 → 元請け(1次請け)の可能性大
- 取引先がSIer → 2次請け以降の可能性大
のように表現することができます。どちらに当てはまるのか調べたいのであれば、リクナビ、マイナビに載っている『主な取引先』を参考にするか、Googleで『○○(企業名) 取引先』と検索してみてください。
SIerの企業研究には以下のような方法も効率的です。もし特徴が見つからず困っている方は参考にしてみてください。
SIerの2次請け以降で、おすすめなSIerはどこ?
断言しますが、(私が知る限り)ありません。
頑張って企業研究やOB訪問をすれば、自社開発をしているホワイト優良企業を探し出せるかもしれません。しかし、そんな時間を費やすのは非効率です。
そもそも、先程紹介したSIerのピラミッド構造では以下のようになっています。
そのため、元請け(1次請け)が受注した案件を2次請けに流し、2次請けはさらに安い価格で3次請けに流します。
つまり2次請けが元請け(1次請け)よりも、3次請けが2次請けよりも(給料などの)待遇が良くなることは、ほぼあり得ませんし、知りません。SIerは大手至上主義ですので、絶対に元請け企業(1次請け)に行くべきです。
特に、
- NTTデータ
- 日立製作所
- 富士通
- NEC
と言った国内大手ベンダーや日本IBM、アクセンチュアなどの外資系企業が存在感を放ちます。そしてユーザー系でもあるNRI(野村総研)やCTC(伊藤忠テクノソリューションズ)、SCSKなどの企業も存在しており、このような元請け(1次請け企業)以外に入り込む余地がありません。
SIer業界を志望しているのであれば、黙って大手企業に行くべきです。
【まとめ】SIerの元請け(1次請け)の見分け方は取引先を確認する!できるだけ大手企業に行くように
これまで紹介した通り、企業の取引先を確認することで、ある程度元請け(1次請け)か2次請け以降かを見分けられたかと思います。
結論から言うと、SIerの中でも大手企業に行くべきです。何度も言っていますが、ピラミッド構造上、元請け(1次請け)よりも2次請け以降の待遇がよくなることはありません。
実際に、
受託開発型か客先常駐型かを問わず受注レイヤー別・年代別に年収の比較を行ったのがDATA2である。これによれば、一目瞭然。顧客企業から下請けに仕事が流れるのに沿って、年収は確実に下がっている。全体平均で顧客企業が603万円なのに対して、1次下請け577万円(顧客企業の95.6%)、2次下請け518万円(同85.9%)、3次下請け496万円(同82.2%)だ。
引用:リクナビNEXT
そのため、SIer志望であれば大手は絶対です。メーカー系であれば、日立やNEC、NTTデータと言った国内大手ベンダー、NRIを筆頭にユーザー系企業がおすすめです。
2次請け以降となると、客先常駐(SES)となる可能性もグッと高くなってきますので、同様に見分けられるようにしましょう。