就職活動においてエントリーシート(ES)の作成は多くの学生が頭を悩ませる大きな課題です。自分の強みや経験をどのように表現すればよいのか、企業ごとにどのようにアピールポイントを変えるべきか、迷うことも多いでしょう。
そんな中、近年急速に普及しているのが『生成AI』を活用したES作成です。
本記事では生成AIの基礎から、実際の使い方、効果的なプロンプト作成のコツ、そして具体的な活用例まで、実践的なノウハウをわかりやすく解説します。就活を効率的に進めるヒントが見つかるはずです。
Contents
生成AIとは?ES作成にどう活かせるのか
近年、AI技術の進化は目覚ましく、私たちの生活や仕事のあらゆる場面に大きな変化をもたらしています。特にChatGPTやClaude、Geminiなどに代表される「生成AI」は、膨大な文章データを学習し、人間が書いたかのような自然な日本語の文章を自動で作成できるようになりました。
その生成AIは就活にも使用することができます。むしろ使用しないと、使用している就活生と差が開く一方です。生成AIを制す者が、就活を制すと言っても過言ではありません。
ES作成では自己PRや学生時代頑張ったことなど、
- 何を書けばいいか分からない
- 表現がワンパターンになってしまう
といった悩みを解決するツールとして注目されています。生成AIを活用することで得られる主なメリットは以下の通りです。
- アイデアの拡張:自分では思いつかない切り口や表現を提案してくれる
- 効率化:短時間で複数パターンのESが作成できる
- ブラッシュアップ:文章の分かりやすさや説得力を高めてくれる
- 客観性:第三者目線でのチェックや改善案が得られる
生成AIの最大の特徴は与えられた情報や指示(プロンプト)に応じて、目的に沿った文章を瞬時に生成できることです。たとえば、
- 大学時代に頑張ったことを400字でまとめて
- リーダーシップを発揮したエピソードを自己PRとして書いて
など具体的な要望に応じて、構成や表現を工夫した文章を提案してくれます。また、生成AIは大量のデータを学習しているため、さまざまな業界や職種に合わせた表現や最新のトレンドを反映した文章も得意としています。自分では思いつかない切り口や、より魅力的な言い回しを提案してくれることも多く、強力なパートナーとなるでしょう。
ただし、生成AIが作成した文章は一般的になりやすく、オリジナリティや自分らしさを加える仕上げは必須です。生成AIを使いこなすことで、ES作成の効率と質を同時に高めることができます。
生成AIを使ったES作成の基本ステップ
生成AIを使ってESを作成する際はいくつかの基本ステップを踏むことで、より質の高い文章が作成できます。
最初に大切なのは自己分析です。まず自己分析をしないと何事も始まりません。自分の強みや経験、学生時代に力を入れたことなど、ESに盛り込みたい内容を整理しておきましょう。
この段階で自分のエピソードや実績を箇条書きにしてまとめたり、過去のアルバイトやサークル活動を振り返ってみたりするとよいでしょう。自分では些細だと感じていた経験が生成AIの力を借りることで、意外な強みやアピールポイントとして生まれ変わることも少なくありません。
ちなみに自己分析には『ロジカル面接術』が使えます。この本では面接での質問に対するロジカルな回答方法や、自分の強みを効果的に伝える方法が詳しく解説されています。
特に面接官が求める『ストーリーテリング』の重要性や、自分の経験を活かした具体的な例を提示する方法が分かりやすく説明されています。就活生として必読の本ですので、是非一度手に取り、面接での自信を高めてみてください。
次に企業や業界のリサーチも欠かせません。企業のホームページや採用情報、ニュースなどから、求める人物像や価値観を把握しておくことで、AIへの指示も的確になります。
ES作成の主な流れは以下の通りです。
- 自己分析・エピソード整理
- 志望企業の特徴や求める人材像をリサーチ
- AIへのプロンプト(指示文)を作成
- 生成された文章をもとに自分らしくアレンジ
この流れを繰り返すことで、効率的かつ自分らしいESが完成します。AIはあくまで『下書き担当』として活用し、最終的な仕上げは自分自身の手で行いましょう。
ES作成に効果的なプロンプトの作り方
生成AIを最大限に活用するにはプロンプト(生成AIへの指示文)の質が非常に重要です。
プロンプトが曖昧だと生成AIが生成する文章も一般的で薄い内容になりがちです。逆に具体的で詳細なプロンプトを作成すれば、自分の体験や考えが反映された質の高いESが作れます。
効果的なプロンプトを作るポイントは次の通りです。
- 役割や目的を明確に伝える(例:新卒採用の面接官になったつもりで)
- エピソードや強調したいポイントを具体的に伝える
- 文字数やトーン、構成を指定する
- 業界や企業のキーワードを盛り込む
- 具体的な数値や成果も指示に含める
プロンプトは一度で完璧にする必要はありません。AIの出力を見ながら追加指示を出し、何度もブラッシュアップしていくことが大切です。複数パターンを作成し比較することで、自分に合った表現が見つかります。
プロンプト作成に慣れてきたら、複数のパターンを同時に作成して比較検討するのもおすすめです。例えば
- リーダーシップを強調
- 課題解決力を強調
- チームワークを強調
したパターンなど、同じエピソードでもアプローチを変えてみることで、自分に最も合った表現や構成を見つけることができます。
飲食店でのアルバイトを元に、自己PRを作ってください。
飲食店でのアルバイト経験(接客/在庫管理/新人教育)を元に、貴社が求める『現場改善力』をアピールする自己PRを、STAR法(状況→課題→行動→結果)で400字作成。数値目標(接客評価4.5→4.8)と学び(マニュアル改善提案)を必ず含むこと。
実際に使ってみた!生成AIでESを作成するデモ
今回はSIer志望の就活生が塾講師のアルバイト経験を活かしたES作成の流れを、生成AIの活用例としてご紹介します。
まず、自己分析とエピソードの整理から始めます。たとえば、
- 塾講師として中学生を担当し、成績向上のために個別カリキュラムを作成した
- 生徒や保護者とのコミュニケーションを工夫した
- チームの講師同士で情報共有を強化した
といった実体験を洗い出します。
SIerは顧客の課題解決力やコミュニケーション力、チームワーク、論理的思考力などが重視されるため、これらの要素が伝わるようなエピソードを選ぶことがポイントです。
次に生成AIに与えるプロンプト(指示文)を工夫します。たとえば、以下のようなプロンプトをAIに入力します。
SIer志望の学生が塾講師のアルバイト経験を自己PRとして400字でまとめたい。生徒の成績向上のために工夫したことや、チームでの情報共有、保護者とのコミュニケーションなど、SIerが求める課題解決力やチームワークを意識して、STAR法(状況・課題・行動・結果)に沿って構成してください。
このプロンプトをもとに、生成AIが以下のような文章を作成します。
私は大学時代、塾講師のアルバイトを通じて課題解決力とチームワークを磨きました。担当した中学生の生徒の成績が伸び悩んでいたため、まず個々の苦手分野を分析し、オリジナルのカリキュラムを作成しました。また、同じ学年を担当する講師同士で定期的に情報共有ミーティングを実施し、生徒ごとの指導法や進捗状況を共有しました。さらに、保護者とも積極的にコミュニケーションを取り、家庭学習のアドバイスや進路相談にも対応しました。その結果、生徒全員が目標としていた志望校に合格し、保護者からも高い評価をいただきました。この経験から、顧客の課題を丁寧にヒアリングし、チームで最適な解決策を提案するSIerの仕事に強い魅力を感じています。
このように、生成AIが生成した文章をベースに、さらに自分の実体験や成果、工夫した点を具体的に肉付けしていくと、より説得力のあるESに仕上がります。
また、同じエピソードでも、志望企業や職種ごとに強調するポイントを変えることで、よりマッチした自己PRを作ることができます。
- エピソードの選定(課題解決力・チームワーク・コミュニケーション力など)
- 企業や業界の求める要素を意識したプロンプト作成
- AIによる文章生成と人間によるブラッシュアップ
この流れを繰り返すことで、効率的かつ自分らしいESを作成することができます。生成AIは就活生の経験を最大限に引き出し、就職活動の強い味方となるでしょう。
ちなみにキミスカの適性検査を受けることで、自己分析に活かすことができますので、ぜひ活用してみてください。生成AIのみならず、このような完全無料の就活サービスを駆使してください。

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5. まとめ:生成AIを賢く使ってES作成を効率化しよう
生成AIはES作成において非常に強力なツールです。アイデア出しや文章のブラッシュアップ、複数パターンの作成など、さまざまな場面で活用できます。しかし、AIに全てを任せるのではなく、『自分の言葉』で自分らしさを表現することが最も大切です。
AIを使いこなすためにはまず自己分析や企業研究をしっかり行い、具体的なエピソードやアピールポイントを整理することが出発点となります。そのうえで効果的なプロンプトを作成し、AIから得られた文章を自分の言葉でブラッシュアップしていくことが重要です。生成AIが苦手とする熱意やオリジナリティを加えることで、他の応募者と差別化されたESを作成することができます。
最後に、生成AIを活用したES作成で意識したいポイントをまとめます。
- AIは「下書き担当」として活用し、最終仕上げは自分自身で行う
- 事実確認やオリジナリティの追加を忘れない
- 企業ごとにカスタマイズし、第三者のチェックも活用する
- AIと人間の強みを組み合わせて、効率的かつ魅力的なESを作成する
生成AIを賢く使いこなすことで、ES作成の効率化と質の向上を同時に実現し、あなた自身の魅力を最大限にアピールできるはずです。AIと人間、それぞれの強みを活かした『ハイブリッド型』のES作成術を、ぜひ今日から実践してみてください。
ES作成のあとは面接対策に取り掛かりましょう。面接対策にも生成AIが使えますので、ぜひ活用してみてください。
