多くの企業では
- ES(エントリーシート)
- 適性検査(SPI)
- グループディスカッション
- 1次面接
- 2次面接
- 最終面接
のような選考フローです。もちろんグループディスカッションが無かったり、面接が2回だったりと企業によっては異なります。
言えることは必ず最終面接があるということです。1次面接では若手社員、2次面接ではマネージャーなどの管理職、最終面接では役員や社長などが登場するようなイメージです。
このように、最終面接での逆質問に苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。その気持ちは痛いほど理解できます。
会社の人事や若手社員・中堅社員にはフランクに質問することができるけど、社長や役員となると、あまりに自分の地位とかけ離れてしまい、何を聞いてよいのか分からなくなってしまいます。実際に私もそうでした。
そんな中で、私は最終面接を15~20回程度経験しましたので、その時に手応えがあった質問、手応えのなかった質問など様々でした。
今回はそのような経験を元に『最終面接の時に好感触だった逆質問』を紹介していきます。もちろん人それぞれ感じ方が違いますので、これを聞けば必ず内定が貰えるわけではありません。実際に数社から内定を貰っていますので、参考にしていただければと思います。
Contents
そもそも最終面接の位置付けは?役員クラスが登場します
就活が始まった頃は、最終面接に行けば9割内定が貰えるものだと思っていました。
しかし、現実は違いました。社会人になってから気が付きましたが、採用の決定権は役員にあります。そのため、最終面接で役員に気に入れられなければ、十中八九採用されません。最終面接で落ちた時には、
と思っていましたが、実は役員クラスが新卒の採用を決めています。会社説明会を担当しているような新卒採用担当者に採用権は実質ありません。
そのため、
- 新卒採用担当者と仲良くなっておこう
- 会社説明を行ってくれた人事の方に顔を売っておこう
のような行為はほとんど意味がありません。もしかしたら人事採用にリソースを割けない中小企業やベンチャー企業には意味があるかもしれませんが、いわゆる一般的に大企業と呼ばれる会社には、一切意味がないと言い切れます。
話が逸れましたが、最終面接の通過率ってどのくらいと考えていますか?企業にもよりますが、おおよそ半分は落ちると思ってください。
特に面接を2,3回程度しか行わない企業では、最終面接が9割合格、握手会なんてことはほぼありません。
就活を終えた後にも親しくさせていただいている、あるメーカー系SIerの人事が言うには、例えば500人エントリー者がいるとすると、
- 500人エントリー
- テストセンターで半分 → 250人
- GDでさらに半分 → 125人
- 1次面接で半分 → 60人
- 最終面接の通過率もさらに半分 → 30人
と言っていました。これが銀行等の面接を10回するような企業や、食品メーカーのような倍率の高い企業は少し違うかもしれませんが、多くの企業はこの程度と思っても良いでしょう。
SIerは面接回数が2,3回の企業がほとんどですので、最終面接を通過するのが難しいです。実際に私も最終面接で何度か不合格を言い渡されました。
ちなみに、入社後に役員とお話する機会がありましたが、
という人もいます。もちろん野球やサッカーをやっていれれば”誰でも”内定を貰えるわけではありませんが、最終面接ではこのような運も重要な要素です。
最終面接で好感触だった逆質問を紹介します!役員にはこれがおすすめです
前置きが長くなりましたが、最終面接で好感触だった逆質問を紹介します。『役員だからこそ聞きたいこと、役員でないと聞けないこと』を意識したいです。
ちなみに、逆質問に入る際に、
とノートを取り出し、メモを取ってもOKです。ただし、スマートフォンでメモを取るのは印象が悪く写ってしまいますので、あまりおすすめできません。個人的には全然良いのですが、世間体ではあまり印象が良くありませんので、無難なことを無難にこなした方が良いです。
入社後は◯◯のような仕事に携わりたい。役員から見て、◯◯にはどのようなスキルが必要と考えているか?
入社後のアピール作戦です。可能な限りその企業ではどのような事業を行っているのか、どのような職種が多いのか調べてみると、企業研究にも繋がります。
- アプリケーションに関わりたい
- インフラ(システム基盤)に関わりたい
- グローバルな事業に関わりたい
- デジタライゼーションに関わりたい
- プロジェクトマネジメントをしたい
- AI(人工知能)に関わりたい
など、ふわっとしたことでも良いですが、できる限り具体的な方がよいでしょう。
また、意欲の高さをアピールするため、大学4年生の残りの期間で何ができるのか、学びたい意思を伝えることは大事です。
SIer業界を志望しているのであれば、このような最終面接の前にできる限りの企業研究をしておきましょう。特に企業のニュースリリース(プレスリリース)を見ておくだけで、
- どのような技術があるのか
- どのような企業と取引があるのか
が、見えてくると思います。SIerを目指しているのであれば必須ですので、下記を参考に企業研究してみてください。
入社前に取得しておくべき資格や知識はありますか?
こちらも学習の意欲アピールです。本当に取得するかどうかは置いておいて、入社前に取得しておくべき資格や知識などを聞いておくと、学ぶ意欲をアピールできます。
特に多くの最終面接で聞いた多くの回答は、
- 英語(TOEIC)
- ITへの慣れ・関心(基本情報技術者試験)
の2つが挙げられました。英語や基本情報技術者試験は以下でも触れていますので、参考にしてみてください。
さらに言うと、このように英語やIT資格を言われたら次に、
- どのような英語学習のカリキュラムが導入されているか
- 社員の英語力はどれぐらいか
- 英語を使ってどのような仕事ができるか
- 英語を使うのはどのような部署があるか
- 英語を日常的に使っている社員は何割ほどか
などのように、派生させることもできます。
最終面接に限らず、逆質問の時は1問1答のように機械的に行うのではなく、このように話題を派生させて会話させて行くことも重要です。逆質問が思い浮かばなくて困っている就活生は、このように会話することで時間を潰せます。
また英語だけではなく、SIer業界を目指しているのであれば、どのようなIT資格があるのか目を通しておきましょう。稀にどのような資格があるのか面接で聞かれることもあります。SIer社員が取得するような主な資格は以下の通りです。
資格の話をすると、知っているIT資格を聞かれることもありますので、この中でも、
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- プロジェクトマネージャー(高度情報処理技術者試験)
- ITストラテジスト(高度情報処理技術者試験)
あたりの単語は覚えておいて損はありません。ネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストなど技術よりな資格もありますが、多くのSIer社員はプロジェクトマネージャーやITストラテジストを目指しています。
基本情報技術者試験はSIer社員の入門試験です。大学生の内に取得する必要はありませんが、社会人1年目では取っておきたいです。
多くの企業では報奨金や一時金が貰えます。大学生時代に取得していると貰えないこともありますので、社会人1年目で取得するのがコスパが良いです。
そして結局は最後に『学生のうちは様々なことを経験した方が良い』と締めくくられることが多かったです。
ちなみにどの業界も当てはまると思いますが、特にSIer(IT業界)や金融業界は勉強が永遠に続きます。資格取得が昇格要件になっている企業も存在します。社会人になったら勉強しなくて良いと思っていたら大間違いです。
役員は社内でも一握りの役職であるが、どのような要因から就けたと思うか?
個人的にこれが一番おすすめで、相手の体験談を聞き出すパターンです。逆質問ってこのような『社会人のこれまでの経験』を聞くためにあるとさえ思っています。
自分でも成功体験を聞かれると嬉しいですよね。それが大人になればなるほど嬉しくなります。よく飲み会で武勇伝披露するサラリーマンいるでしょ?そういうことです。
最終面接に出てくるような役員や社長となると50歳前後の方で、何十年も会社で生活しています。そしてこのような役職に就ける方は、社会人人生で1つ2つどころか多数の苦難を乗り越えてきています。
例えば、みずほ情報総研では、IT業界のサグラダファミリアと呼ばれていたシステムを完成させました。これを完遂させたのは紛れもなく、昔や今役員に就いている方の働きがあったからです。
『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト』ではそのような苦難がつらつら載っていますし、他の企業でも同じような苦労を味わっています。
今となっては武勇伝になるかもしれませんが、当時の話を聞いて欲しいものです。逆質問は相手を気持ち良くさせたら勝ちですので、上手く懐に入り込んでください。
このような質問は、役職についていない一担当の若手社員にはできません。役員だからこそ是非してみてください。
面接中にあった◯◯という考えですが、役員の方はどのように考えていますか?
自分はこのように考えているが、社会人はどのような考えか。どのような考えが必要か。このようなマインドも必要だと思います。
特にSIerの面接では、『相手と意見が合わないときには、どのような対応をするのか』という質問が頻繁にありました。
回答としては、
- 相手の意見に合わせる
- 自分の意見を押し通す
- 相手の意見を尊重して自分の意見と歩み寄る
など3種類が多く挙げられますもちろん正解などありません。
しかし、役員になるような方は、このような意見の食い違いにたくさん遭遇してきています。それは上司、部下と上からも下からもです。
武勇伝とは少し違いますが、『相手の考えを聞く。』という観点においては良い質問だと思いおます。
どのような部下がほしいですか?
このような質問も結構していました。
- 明るくて素直な学生
- スポーツをやってきて打たれ強い学生
- 真面目な学生
統計は取っていないので断言は控えますが、多くの役員は『素直な学生』を求めているように感じられました。(素直さをアピールするのも一つの手です。)
もちろん、『素直さなら誰にも負けません』と最後に念押ししました。これで少し通過率がアップするかもしれません。実感はしていませんが。
最終面接で絶対にしてはいけない逆質問は何?
福利厚生系の質問
これは役員にNGです。福利厚生はもちろん大切なことですが、あえて面接の場で聞く必要はありません。
何故かと言うと、そもそも役員クラスの方は福利厚生をすべて把握している訳ではありません。それよりも給料の安い若手社員の方が、福利厚生の知識は豊富だと思われます。
そのため、福利厚生について知りたいのであれば、
- 会社説明会
- 座談会
- OB訪問
などの時に若手社員や人事に確認しましょう。または転職サイトの口コミを調べるのも一つの手です。
給料の質問
これもNGです。もちろん給料は働く上で大事です。社長はどの程度給料を貰っているのか私も気になります。
でも、そんなお金ばかり気にする学生を採用したいと思いますか?
そんな質問をするような時間は勿体ないです。社長や役員になるような人は、同期の中でもいるかいないかのレベルです。そのため聞いても参考になりません。
それならば、新卒採用担当の人事や若手社員おおよその賃金カーブを教えて貰った方が有意義です。ここで教えてくれないような会社は、むしろ給料に疎いと思って切っても良いと思います。給料は仕事に対する対価ですので、絶対に気にしなければならないポイントです。
という方には、ビズリーチ・キャンパスをおすすめしています。OG訪問と言っても、
- 会社からOB訪問しませんか?と誘いが来るパターン
- 自分からOB訪問させてください!とお願いするパターン
の2パターンがあります。
会社から接触してくるようなOB訪問では選考の可能性が高いですが、自分から接触するOB訪問では、選考を兼ねている可能性は限りなく低いです。そのため、自分からOB訪問を依頼できるビズリーチ・キャンパスがおすすめです。
▼登録に最短3分&完全無料で利用可能▼
\キャリセンよりも先輩社員の熱意が違う?/
逆質問をしない
これもNGです。絶対に駄目なパターンです。
と思われてしまいます。そのように思われたらもう終わりです。
役員面接前に、今までの先輩社員や人事の方とたくさん話したから聞くことないと思っても、役員には必ず質問してください。
前の面接で聞いたことでも良いです。特に前述した体験談を聞くのがおすすめです。体験談などの社会人としての経験は一人ひとり違います。10人に聞いたら10個の回答が返ってきますので、汎用性が高いです。
最終面接で逆質問に困った時はどうすればよい?武勇伝を語らせろ!
今まで様々な方に質問してきたし、特別聞きたいことがないとすごい困りますよね。
会話形式の逆質問をおすすめします。題材はもちろん役員の経験です。
就活生:今までで一番困難な仕事はどのようなことですか?
役員 :◯◯億円のプロジェクトを完遂させたことだね。それまで大きなプロジェクトに関わったことがなかったので、様々な問題が起こったよ。でも、なんとか納期に間に合わせることができたので、その時は嬉しかったね。チームで成し遂げられたことが何よりも嬉しかった。
就活生:◯◯億円のプロジェクトに関われるなんてすごいですね。様々な問題とは、どのようなことを意識して解決したのでしょうか。
役員 :~続く~
一種の例ですが、このように逆質問に対して深掘りしていくことはかなり有効な技です。併せて相手の成功経験を語らせれば、相手の方もかなり気持ちよくなります。
【逆質問のまとめ】最終面接で困ったら武勇伝を語らせよう
逆質問だけで面接の結果が左右されるとは思いません。しかし、採用か不採用かで迷っている可能性もあるので、最後の一押しで自分をアピールしましょう。『役員だからこそ聞きたいこと』を純粋に聞きましょう。
もし何も見つからないのであれば、前述の通り、『役員は社内でも一握りの役職であるが、どのような要因から就けたと思うか?』のような社会人としての成功体験を聞いておけば良いと思います。
会社に入ると分かりますが、なかなか役員の方とお話する機会は少ないです。実際に誰が、どのような方が役員なのかを知らない方も多くいます。実際に私も担当部署以外の役員はほとんど知りません。
就活の良いところはそのような偉い方と対等に話せることです。ぜひ就活を、最終面接を楽しんでください。