SIer企業はそこまで給料が高くはありません。平均年収の調べ方は『EDINET』を使用すると便利です。ぜひ実践してみてください。
一つの目安でもある年収1,000万円。もちろん会社の社長や役員であれば、余裕で超えると思いますが、普通の一般社員でも超えたいですね。
今回はそのような普通の会社員でも1,000万円を超えるSIer企業を紹介します。順調に昇格していけば超えるだけであって、確実に超えるわけではありません。また、ここで言う普通の一般社員とは課長(マネージャー)程度を指しますのでよろしくお願いします。
Contents
- SIerで年収1,000万円を超える企業の共通点は?
- SIer業界最大手のNTTデータは年収1,000万円に届く
- SIerの中でも大手ベンダー会社のNEC(日本電気)も年収1,000万円
- ユーザー系SIerトップ企業でもあるNRI(野村総合研究所)は余裕で1,000万円
- 意外とユーザー系SIerのCTC(伊藤忠テクノソリューションズ)も年収1,000万円に
- もっと意外と知られていない企業のISID(電通国際サービス)も年収1,000万円に届きそう
- SIerではないですが、親会社(事業会社)であれば1,000万円を超えるような企業ばかりです
- その他に出世すれば1,000万円を超えそうなSIer企業
- SIerで給料(年収)が1000万円を超えるまとめ
SIerで年収1,000万円を超える企業の共通点は?
まずSIerの中で、年収1,000万円を超えるような企業はかなり限られています。超優良中小企業を調べるともしかしたら出てくるかもしれませんが、まずそんな面倒なことしたくはありませんよね?
まず一般的に年収1,000万円を超えるには、
- 業界の中でも大手企業
- 外販も行っている
の2つに当てはまると年収1,000万円を超える確率が高くなります。数学的には必要条件ではありません。十分条件です。この2つさえ満たしていれば必ず超えると言うわけではありません。
反対に、
- 業界の中でも中小企業
- 内販のみ行っているユーザー系SIer
となると、年収1,000万円を超えるのは難しい傾向があります。
ちなみに勘違いしてほしくないのが、20代ですぐに到達するわけではありません。管理職と呼ばれるような課長層(マネージャー)になって、やっと1,000万円を超えるようになってきます。
この管理職は多くの企業で30代後半、40代です。年功序列で地道に進むと高収入が見えてきます。それではこれから実際に高給取りを狙えるような企業を紹介していきます。
SIer業界最大手のNTTデータは年収1,000万円に届く
誰もが知るSIer最大手企業です。NTTデータの平均年収の推移は下記のとおりです。
- 2015年 792万円
- 2016年 807万円
- 2017年 812万円
- 2018年 820万円
(有価証券報告書より)
最近では820万円程度を推移しており、順調に昇格していけば1,000万円を超えていくようです。
おおよそ、20代で500~600万円程度、30代で700~800万円程度に到達し、管理職の課長クラスになると、1,000万円を超えるようです。
NTTデータに新卒で入社した場合、普通に行けば課長クラスまでは出世できるようです。部長や役員は一握りですので、それ以上の地位は能力に応じて出世します。
SIerの中でも大手ベンダー会社のNEC(日本電気)も年収1,000万円
NTTデータに並ぶ、SIer最大手企業の一つです。NECの平均年収の推移は下記のとおりです。
- 2015年 770万円
- 2016年 834万円
- 2017年 805万円
- 2018年 789万円
(有価証券報告書より)
平均年収自体はNTTデータとほとんど同じです。しかし、NECは業績によってボーナスの額が大きく変わります。そのため、課長クラスでも1,000万円を超える年があったり、超えない年があったりと微妙なラインのようです。
ちなみに日立は様々な分野で事業をしていますので、NECや富士通と比べると頭1個分抜けています。反対にNECや富士通はこのSIer事業が大きな収益の柱であり、今後収益が悪化するとかなりまずいです。
まずいと言うのはよく言われるのが大規模なリストラが果敢に行われます。NECでは2018年に3,000人、富士通は2019年に5,000人を募っていますので注意が必要です。一応補足をすると、SIer事業よりも間接部門(総務や経理、人事など)や工場で働く社員が対象でした。今回はそうでも次回はそうかとも言い切れませんので、このような事実があるのだけは認識しておきたいです。
ユーザー系SIerトップ企業でもあるNRI(野村総合研究所)は余裕で1,000万円
NRI(野村総研)は野村證券のシステム会社として設立されました。日本の中でもトップクラスに高給取りの野村證券のシステム子会社というぐらいですから、NRI(野村総研)も相当給料は貰えます。
NRI(野村総研)の特徴はシンクタンク機能もあり、事業会社の開発のみに留まらず外販も積極的です。今ではユーザー系SIer随一の売上高を誇ります。
NRIの平均年収の推移は下記のとおりです。
- 2015年 1,089万円
- 2016年 1,156万円
- 2017年 1,151万円
- 2018年 1,166万円
(有価証券報告書より)
もう圧倒的な給料です。
この平均年収にはSEのみならず、コンサル職種の方も含まれていますが、SEの方も1,000万円を超えると思って大丈夫です。一緒に仕事をしているSE社員の方に聞きましたが、一般的に30代で1,000万円を超えるようです。黙って働いていれば超えます。
もちろんその給料に見合う働きが必要で、一部では激務と言われています。これは野村證券の社風に似ています。
もし『ワークライフバランスを取りたい』と思っているような方はおすすめできません。あくまで働きまくって給料が欲しい方だけ入社するようにしてください。
意外とユーザー系SIerのCTC(伊藤忠テクノソリューションズ)も年収1,000万円に
CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)と言えば、頭文字の意味が『Challenging Tomorrow’s Changes』と説明され、『なんだこの企業?』と思ったきり選考には進んでいません。
脱線しましたが、CTCはその名の通り伊藤忠のシステム開発をメインで行っています。他の企業と同様に外販も積極的に行っており、企業自体の成長に繋がっています。
平均年収の推移は下記の通りで、年々の差が他企業と比べて激しい印象です。
- 2015年 748万円
- 2016年 812万円
- 2017年 802万円
- 2018年 855万円
(有価証券報告書より)
30歳で700万円程度、課長職の40代になると1,000万円も見込めるほどになるようですが、年功序列制度ではなく実力主義に近いようです。
特に賞与が大きく参与し、夏のボーナスの比率が高く、1回で200万円、300万円も貰える社員もいるとのことです。ボーナスは業績によって決まりますが、おおよそ6ヶ月程度が平均的です。
もっと意外と知られていない企業のISID(電通国際サービス)も年収1,000万円に届きそう
SIer企業としては穴場かもしれません。ISIDは電通グループのITソリューション企業です。激務高級の代表格でもある『広告代理店大手・電通』のITソリューション会社となると、1,000万円を超えるのも納得です。
ISIDの平均年収は下記のとおりです。
- 2015年 856万円
- 2016年 877万円
- 2017年 973万円
- 2018年 897万円
(有価証券報告書より)
年によってばらつきはあるものの、ISIDの平均年収は900万円前後だと思われます。
課長職になると1,000万円を超えてくるようです。他企業と比較すると、少々年収が高い気がしますが、それは退職金が前払いとなっているためです。ここはひとつ注意しておきたいです。
SIerではないですが、親会社(事業会社)であれば1,000万円を超えるような企業ばかりです
親会社(事業会社)から出向している方は、余裕で1,000万円を超えていきます。
今回の親会社とはシステム子会社を持っている銀行や損害保険、生命保険、証券などを指します。
もっと具体的に言えば、
- 三菱UFJ銀行(銀行)
- 東京海上日動(損保)
- 日本生命(生保)
- 日興証券(証券)
などです。最近ではこのような親会社もIT・システム採用が増えてきています。一度募集要項を確認してみると視野が広がるのでおすすめです。
また、これら親会社のITの・システム採用の何が良いのかと言うと、システム子会社への出向の可能性があります。例えば先程の例同様に、
- 三菱UFJ銀行(銀行)→ 三菱UFJインフォメーションテクノロジー
- 東京海上日動(損保)→ 東京海上日動システムズ
- 日本生命(生保)→ ニッセイ情報テクノロジー
- 日興証券(証券)→ 日興システムソリューションズ
のような出向コースが実は潜んでいる可能性があります。このような出向があるのかどうかは、人事に確認するか、OB訪問がおすすめです。もしOB訪問をするならビズリーチ・キャンパスがおすすめです。積極的に活用しましょう。
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ちなみに出向の何が良いのかと言うと、親会社から給料を貰いつつシステム子会社(ユーザー系SIer)の仕事をすることです。
親会社からの出向者の待遇 | |
---|---|
仕事内容 | プロパー社員と原則同じ |
仕事量 | プロパー社員と原則同じ |
福利厚生 | 親会社に原則準ずる |
給料 | 親会社に準ずる |
寮・社宅制度 | 親会社に準ずる |
始業時間 | プロパー社員と原則同じ(※1) |
勤務時間 | プロパー社員と原則同じ(※1) |
※1:同じグループ内での出向であれば、同じ始業時間・勤務時間がほとんど
一般的にシステム子会社よりも親会社の方が給料が高いですので、システム子会社に入社したプロパー社員と同じ仕事をしつつ、給料は多く貰えます。また福利厚生も段違いですので、できる限り親会社を目指したほうが良いです。
その他に出世すれば1,000万円を超えそうなSIer企業
これまで多くの方が1,000万円に届くような企業を紹介しました。ここからは頑張って出世をすれば届きそうな企業を羅列で紹介します。
- 都築電気
- オービック
- TIS
- 新日鉄住金ソリューションズ
- みずほ情報総研
などが挙げられます。
都築電気やオービック、TISはいわゆる独立系SIerに括られます。オービックはSIerと言ってよいのか微妙ですが。この中でもTISは独立系SIerの最大手企業です。
また、新日鉄住金ソリューションズやみずほ情報総研はユーザー系SIerですが、外販も行っています。これまで紹介してきた企業で分かると思いますが、外販を行っている企業は給料が高い傾向があります。
反対に考えると内販のみ企業は利益を追求していないため、給料はそこまで高くありません。その分働きやすい環境を重視している印象もありますので、どちらを取るのかはその人次第です。
SIerで給料(年収)が1000万円を超えるまとめ
確実に超えると言われているのは、NRIやNTTデータといったSIer最大手企業です。また、NRIやみずほ情報総研など外販を手掛けているユーザー系でも超える可能性があります。
内販のみのユーザー系SIer企業や下流工程を担当している独立系は余程のことがない限り、1,000万円に届きません。つまり、給料を求めるならば外販も行っているユーザー系SIer企業に入社しましょう。
個人的におすすめなのが、事業会社のIT・システム採用です。私も同じような立場ですが、システム子会社(ユーザー系SIer)のプロパー社員と同じ仕事をしつつ、高い給料を貰えるのは最高です。
これまで新卒で入社した会社に骨を埋めることを中心に紹介してきました。しかし、最近のSIer業界では転職によってステップアップしていく方も多く増えてきました、
転職をすると新卒から入社した社員よりも出世しやすいとも言われていますので、転職前提に入社するのも一つの手です。