SIer業界でキャリアを積んできた私が自信を持って厳選した「隠れた優良企業」を紹介します。
本記事では知名度は高くないものの、働きやすさや成長環境、専門性の高さで注目すべき優良SIerの5社を徹底的に解説しています。
それぞれの企業について、平均年収、平均残業時間、平均有給消化率といった具体的なデータを調査し、さらに実際の社員の口コミも交えて魅力と課題を掘り下げました。また、各企業の特徴や独自の取り組みも詳しく解説しているため、
- どんな働き方がしたいか
- どんなキャリアを築きたいか
を考える上で役立つ情報が満載です。SIer業界で自分に合った企業を見つけたい方はぜひ最後までご覧ください!
Contents
【隠れ優良SIer企業No.1】サーバーワークス
サーバーワークスはAWS(アマゾン ウェブ サービス)専業のクラウドソリューションプロバイダーとして、日本国内でトップクラスの実績を誇る企業です。
AWS導入支援や運用最適化に特化し、これまでに24,500件以上のプロジェクトを手掛けています。社員の約73%がAWS認定資格を保有しており、高度な専門性を持つ少数精鋭の組織です。
リモートワーク率は64.8%、平均残業時間は8.33時間と、働きやすさにも定評があります。また、産育休復職率が100%で、育児と仕事を両立できる環境も整っています。
AWS市場におけるリーダーシップを発揮し続ける同社はクラウド技術でキャリアを築きたい方にとって理想的な選択肢です。
- 平均年収: 670万円(2023年度有価証券報告書による)
- 平均残業時間: 14時間/月
- 平均有給消化率: 78.9
ポジティブな口コミ・評判
- 残業時間が月平均8.33時間と少なく、プライベートの時間を確保しやすい。
- 有給消化率71.8%で休暇を取得しやすい文化がある。
- AWS案件実績が24,500件以上あり、多様なプロジェクトに携われる。
- 産育休復職率が100%で、育児と仕事を両立しやすい環境。
- 社員の入社理由として「柔軟な働き方」が15%を占めるなど、多様な働き方を推進。
ネガティブな口コミ・評判
- 教育制度が整っておらず、OJT中心で自己学習が求められる。
- 福利厚生が他社と比較してやや物足りない。
- 部署やプロジェクトによっては繁忙期に負担が増えることもある。
- 少数精鋭のため、一人あたりの責任範囲が広い。
- 成長企業ゆえに業務プロセスが未整備な部分もある。
AWSに興味がある方はまずはAWSクラウドプラクティショナーを取得してみましょう。入門的な位置付けで、比較的容易に取得できます。もちろん大学生でも少し勉強をすれば取得できるレベルですので、もしITに興味があるのであればぜひ勉強を始めましょう。
【隠れ優良SIer企業No.2】ビジネスブレイン太田昭和(BBS)
ビジネスブレイン太田昭和は「会計×IT」を軸にした独立系コンサルティングファームで、経営会計コンサルティングやシステムソリューションを提供しています。同社は売上高342億円(2023年)と安定した経営基盤を持ち、平均年収は696万円です。
独自の働き方改革プロジェクト「スマイルPJ」により、残業削減や有給取得率向上に取り組んでいます。平均残業時間は約20時間と改善されており、若手社員でも一次受け案件に携われる裁量権の大きさが魅力です。
また、公認会計士や専門家が多く在籍しており、経営知識とITスキルを同時に磨ける環境が整っています。グローバル案件も多く、多様なキャリアパスが期待できる企業です。
- 平均年収: 696万円(2024年度有価証券報告書による)
- 平均残業時間: 29時間/月
- 平均有給消化率: トラブル時を除けば取得可能との口コミありが、具体的な数値は不明
ポジティブな口コミ・評判
- 「スマイルPJ」により、残業削減が進み、平均残業時間は約20時間に改善。
- 公認会計士や専門家が多く在籍し、学びの場が豊富。
- 若手社員でも年収600万円前後まで比較的早期に到達可能。
- プロジェクトの多くが一次受け案件で、裁量権が大きい。
- 賞与は安定しており、年間125万円以上支給されるケースも多い。
ネガティブな口コミ・評判
- 繁忙期には残業時間が増えることがある。
- プロジェクトによっては激務になる場合もある。
- 配属先によって業務内容や負担に差が大きい。
- 認知度の低さから転職市場で評価されづらい場合あり。
- 下流工程からスタートする案件も多く、上流工程への移行には時間がかかる。
【隠れ優良SIer企業No.3】ラック
ラックはサイバーセキュリティ分野に特化したSIerで、官公庁や大手企業向けに高度なセキュリティソリューションを提供しています。
同社は売上高408億円(2024年)、平均年収654万円で、セキュリティ分野では国内トップクラスの実績を誇ります。「サイバー救急センター」など独自の取り組みや、日本最大級のセキュリティ監視センター「JSOC」を運営するなど、業界内で圧倒的な存在感を持っています。
平均残業時間は17時間と短く、若手社員でも責任あるポジションを任される機会が豊富です。また、資格取得支援制度や社内勉強会も充実しており、専門性を高めたいエンジニアには最適な環境です。
- 平均年収: 644万円(2022年度有価証券報告書による)
- 平均残業時間: 13時間/月
- 平均有給消化率: 平均取得日数11日/年
ポジティブな口コミ・評判
- 平均残業時間が業界内でも少ない17時間と働きやすい。
- 官公庁案件や大規模プロジェクトへの参画機会が豊富。
- セキュリティ分野で国内トップクラスの存在感を持ち、専門性を磨ける。
- 若手でも責任あるポジションを任されることが多い。
- 年代別平均年収では30代で528万円、40代で674万円と安定している。
ネガティブな口コミ・評判
- 客先常駐案件が多く、自社内勤務は限定的。
- 給与水準や昇給率に不満を持つ社員もいる。
- 業務内容の属人化やキャリアパスの狭さを指摘する声あり。
- 専門性の高さゆえに汎用的なITスキル習得には向かない場合もある。
- プロジェクトによっては残業時間が増えることもある。
【隠れ優良SIer企業No.4】サイバネットシステム
サイバネットシステムはCAE(コンピュータ支援エンジニアリング)やIoT/AI構築支援サービスなど、高度な技術分野に特化した企業です。
同社の売上高は151億円(2023年)、平均年収730万円と高水準であり、有給消化率も80%以上と働きやすい環境が整っています。
特に科学技術計算分野では国内トップクラスの実績を持ち、「Ansys」など世界的に評価されるシミュレーションツールの販売・サポートも行っています。
また、フルフレックス勤務制度や在宅勤務制度を導入しており、自分のペースで働ける柔軟性が魅力です。高度な専門性と自由な働き方を両立したいエンジニアにおすすめの企業です。
- 平均年収: 753万円(2022年度有価証券報告書による)
- 平均残業時間: 15時間/月
- 平均有給消化率: 最大20日間付与されるが、具体的な消化率は不明
ポジティブな口コミ・評判
- 平均年収が業界内でも高水準の730万円。
- 有給消化率が80%以上と休暇取得しやすい環境。
- 科学技術計算分野では国内トップクラスの実績。
- フルフレックス勤務制度により、自分のペースで働ける。
- 資格取得支援制度が充実しており、高度な専門性を磨ける。
ネガティブな口コミ・評判
- 親会社からの介入が多く、独自性を発揮しづらい環境との指摘あり。
- 離職率が高く、新陳代謝が激しいとの声もある。
- 部署間連携不足による業務効率低下を指摘する声あり。
- 給与水準について不満を持つ社員もいる(昇給率含む)。
- プロジェクト単位で繁忙期には負担増加傾向あり。
【隠れ優良SIer企業No.5】クレスコ
クレスコは中堅SIerとして幅広いITサービスを提供し、大手企業並みのプロジェクト規模と安定した収益基盤を誇ります。同社の売上高は527億円(2024年度)、平均残業時間16.9時間、有給初年度15日付与など働きやすさにも配慮されています。
「技術者にとって働きやすい会社」を目指し、多様なキャリア形成支援プログラムや資格取得補助制度を導入しています。
また、若手社員でも上流工程に挑戦できるチャンスが豊富で、多様な業界で経験を積むことが可能です。デジタルソリューション事業にも注力しており、新しい技術分野への挑戦機会も豊富なため、自身の成長意欲を活かせる環境が整っています。
- 平均年収: 644万円(2024年度データ)
- 平均残業時間: 約17~20時間/月(部署による差あり)
- 平均有給消化率: 高い水準で取得可能との口コミありが、具体的な数値は不明
ポジティブな口コミ・評判
- 平均残業時間16.9時間と業界平均よりも短く抑えられている。
- 初年度から有給15日付与され、1時間単位で取得可能。
- 若手社員でも上流工程に挑戦できるチャンス多数。
- 福利厚生が充実しており、住宅手当や資格取得補助あり。
- 事業拡大中であり、新しい技術分野への挑戦機会も豊富。
ネガティブな口コミ・評判
- 客先常駐案件中心で、自社開発案件は限定的との声あり。
- 昇進には資格取得必須で、その点に不満を持つ社員もいる。
- 労働環境について厳しい意見(人手不足時の激務)あり。
- プロジェクト単位で残業時間増加傾向あり(部署次第)。
- 中堅企業ゆえに給与水準は大手より劣る場合あり。
隠れ優良SIer選びのポイント
隠れた優良企業を選ぶ際には以下のポイントを重視することで、自分に合った働きやすい環境を見つけることができます。これらの基準を満たす企業は長期的なキャリア形成や安定した生活を実現するために理想的です。
平均残業時間が少ない
平均残業時間が少ない企業はワークライフバランスを重視している傾向があります。目安として、月20時間以下であれば比較的負担が少なく、プライベートの時間を確保しやすいと言えます。
残業が多い企業は長期的に働く際に心身の負担が増大する可能性があるため注意が必要です。
有給取得率が高い
有給休暇の取得率が高い企業は社員の休暇取得を推奨する文化が根付いています。有給消化率が50%以上であれば、比較的休みやすい環境と言えるでしょう。
特に仕事と家庭の両立を目指す人や趣味に時間を割きたい人にとって、有給取得率の高さは重要な指標です。
離職率が低い
離職率の低さは職場環境の良さや社員満足度の高さを示す重要な指標です。特に3年以内離職率が30%以下であれば、安定した職場環境である可能性が高いです。
離職率が高い場合は人間関係や労働条件に課題があることも考えられるため、注意して確認しましょう。
年収水準が高い
平均年収が高い企業は社員への還元意識が強く、生活の安定感を得られる可能性があります。目安として30代で600万円以上を目指せる企業であれば十分な水準と言えます。
ただし給与だけでなく、昇給率や賞与制度なども確認することで、将来的な収入増加の見込みも把握できます。
社風と働き方の柔軟性
隠れた優良企業には大手ほど認知度は高くないものの、社員一人ひとりを大切にする社風や柔軟な働き方を推進している場合があります。フレックス勤務制度やリモートワーク制度など、自分のライフスタイルに合った働き方を選べるかどうかも重要です。
今回紹介した5つの企業はこの条件に概ね合致しています。ただし、プロジェクトや部署によって働き方には差がありますので、自分の希望する働き方と照らし合わせて選ぶことが重要です。
【まとめ】隠れ優良SIer企業5選
今回ご紹介した5社はいずれも『隠れた優良企業』として注目されるべき存在です。それぞれ異なる強みがありますので、自分のキャリアビジョンや興味関心に合わせて選ぶことが重要です。SIer業界は多様な選択肢がありますので、隠れた魅力的な企業にも目を向けてみてください。
もし年収を重視するのであれば、以下のような企業がおすすめです。何を重視するのかは、その人それぞれですので、ぜひ自分自身の就活の軸を考えてみてください。