就活が始まった頃には
と思っていても、実際に内定が出てくると、
と思い始めるでしょう。もしかしたら40年働くこともあり得るので、悩むことは変なことではありません。多くの就活生もどの企業を内定先にするか悩んでいるはずです。
しかし、ずっと悩むことはできず、いつか決断は必要です。今回はその決断すべきポイントを説明していきます。キーワードはたった2つで、
- 入社の軸を事前に決めておく
- 給料の高い方を選択する
です。もし迷っている方がいるのであれば、この後も是非読んでみてください。基本的にIT業界やSIer、SEを目指している方向けに書いています。
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入社を決める前にまずはSIerの構造をおさらいする
入社を決める前にまずはSIerの構造をおさらいしましょう。
こちらにも記載の通り、IT業界はゼネコンのような1次請け、2次請け、3次請けのようなピラミッド形態となっています。具体的には1次請け企業(元請け)が事業会社からシステム案件を受注し、それを2次請け企業に発注し、2次請け企業は3次請け企業に発注する。と言った流れになります。
お金の流れは必然的に事業会社→1次請け→2次請け→3次請けのような流れとなり、発注金額は段々と少なくなります。つまり、2次請けや3次請けの給料が1次請けよりも高くなることは、ほとんどありません。
そのため、SIer業界であれば、できるかぎり1次請け(元請け)に入社するべきです。
1次請けと言われるような企業は例えば、
- NTTデータ、NECなどの大手ベンダー会社(メーカー系)
- 東京海上日動システムズ、三菱UFJインフォメーションテクノロジーなどのユーザー系SIer
- 外販も関わっているNRIやCTCなどのユーザー系SIer
などが挙げられます。これ以外にも数え切れないほどありますし、例えば『みずほ銀行システム統合』ではどのような企業が1次請けとして存在していたのかも載っていました。もしSIerに興味があるのであれば、一読しておいて損はありません。
ちなみに、そもそも給料を求めるのであれば、1次請けよりも発注する事業会社側となるべきです。
事業会社のIT部門に配属されてからユーザー系SIerへの出向もありますので、同じような仕事をしながら高い給料を受け取ることもできます。出向の場合は出向先ではなく、出向元から給料を貰います。
入社に迷ったら、まずは就活初期に決めた『軸』に照らし合わせるのが一番
多くの就活生が初めに『就活の軸』を決めると思います。これは面接の場でも頻出質問です。もし決めていない就活生がいれば、今すぐ『就活の軸』は決めておきましょう。
例えば、
- 企業規模
- 業界での立ち位置
- 仕事を任される裁量
- 自分の企業のシステムのみ関わりたい(内販)
- 他の企業のシステムに関わりたい(外販)
- 人の雰囲気
- 学生の頃に研究してきた延長
- スキルを身につけられる
- 世の中の役に立つ
- 新しい価値を作る
- 止めては行けない社会のインフラに関わる
- グローバルな仕事ができる
など人によって様々です。就活の軸に正解はありませんので、何を重視するのか自分自身で決めて問題ありません。
注意点としては1つの軸だと弱く脆いので、2,3個は考えておきましょう。多くの就活生は3つ程度を軸としていることが一般的です。
働く上で何を重視すべきか、まずは数個書き出してみましょう。ちなみにSIer企業の東京海上日動システムズやTISでは、選考の場で3つの軸を聞かれました。
ここで重要なのは『就活の軸』以外にも、『入社の軸』を別に決めておいた方がよいです。例えば面接で、
というのは少し印象が悪いです。面接で答える『就活の軸』は、できる限り仕事面にフォーカスするべきで、本音の『入社の軸』は自分の胸の内に秘めておきましょう。
それで『就活の軸』ではなく、この『入社の軸』が最終的な会社を選ぶ基準となります。例えば一番に給料を重視している場合、
- A社SIerは平均年収500万円、有給休暇も取りやすい、裁量が大きい
- B社SIerは平均年収700万円、有給休暇は取りにくい、裁量が小さい
と、同業界の2つの企業から内定が出た場合、どちらを選択すべきでしょうか。答えは明確で、B社にするべきです。なぜなら入社の軸を『給料』と決めており、B社の方が給料が高いからです。
一方で『任される裁量が大きい』を軸にして、求めているのであれば、A社の方がおすすめです。このように複数社から内定が出た時に最終的な判断を下すために、『入社の軸』を決めておくべきです。
もしかしたら約40年間働くかもしれないので、慎重になって悩んでしまうのも分かります。
迷ってしまうからこそ、就活初期の段階で行きたい企業の本音の『入社の軸』を決めておくべきです。この軸に照らし合わせて、入社すべき企業を選択していきましょう。
SIerならばそれでも迷ったら給料が高い方に!
そうは言っても、
- なんとなく『入社の軸』を決めていたけど、実際に決断することができない
- 本当にこの企業を選んで良いのか不安
という声は多少聞こえてきます。
SIerを見ている方はワークライフバランスを重視したり、スキルが付くかどうかを重視しているかもしれません。一方で人の雰囲気を大事にしている方もいるでしょう。
ただ、SIerで入社する会社に迷ったら、個人的には給料が高い方をおすすめします。なぜなら『ワークライフバランス』や『人の雰囲気』などが良いと思っても、
- ワークライフバランスが良いと思って入社したけど、実際は激務
- 人の雰囲気が良いと思ったけど、実際は話しかけにくかった
- 有給が取りやすいと聞いていたけど、希望の日に全然取れない
など、部署によって全く変わります。じゃあ部署によって何が変わらないのかと言うと、『給料と福利厚生』だけは変わりません。
SIerでは人への評価が難しく、ほとんど横一線の評価なことが多いです。
そんなことを思っていても、入社した会社が同じであれば同期間で給料はほとんど変わりません。
未だに年功序列の風潮があり、同期の間では10,20年間は給料に差がほとんど付かないと思ってもらって良いでしょう。課長職の一歩前まではほとんど横並びで昇格し、課長から能力によって差がつくようなイメージです。ただ、これは一般的な話であり、企業によって差があることご了承ください。
そして、仕事自体は企業のシステム開発を行うことです。システム導入する企業は銀行、証券、鉄道など業界は違えども、ユーザー系SIerでもメーカー系SIerでも独立系SIerでも、結局はどのSIerも『企業のシステム開発』を行います。
業界は違っても、仕事内容はほとんど一緒です。同じような仕事内容だからこそ、給料が高い企業に行くべきです。
何度も言いますが、年収400万円と年収1000万円の人の能力の差なんてほとんどありません。年収1000万円の人は1000万円稼げる「環境」にいるから年収1000万円なんです。能力よりも環境。どれだけ能力が高い人でも年収400万円の環境ならそれ以上稼げません。
— tomo🇺🇸米国相場のあれこれ (@popo_hamu_s) April 14, 2020
社会人の多くの方は気がついていますが、なかなか就活生には気づきにくい事実。この事実を知っているだけで、より良い選択をできるかもしれません。
【まとめ】まずは自分の中で軸を定め、それでも迷う場合は給料を重要視すべき!
就活終盤に内定が出てくると、
- 複数社内定が出て、どの企業に入社すべきか迷っている
- 1社しか内定が出ず、入社するか就職浪人するのか迷っている
のような局面に差し掛かることもあるでしょう。その時はまず自分自身が定めた軸、特に『入社の軸』に照らし合わせることが重要です。
就活初期の段階で決めておくことで、このような局面で迷わず入社する企業を決めることができます。よく就活生から
と質問をいただきますが、人それぞれです。こればっかりは全員に当てはまる正解はありません。
例えば私がもし就活をもう一度するのであれば、入社したい企業を紹介していますが、だからと言って全員に全員おすすめという訳ではありません。
自分の選択が正解ですので、納得の行く就活をしてください。