日本総研(JRI)と言えば三井住友フィナンシャルグループのIT戦略を担うSIerです。
三井住友フィナンシャルグループと言えば、三井住友銀行を始めとする銀行や証券、カードなど含む大手金融機関です。
同業他社のSIerと言えば、みずほ情報総研や三菱UFJインフォメーションテクノロジーもありますが、日本総研はこれらの企業とどのようなところが違うのか、その点について紹介していきます。
Contents
就活で感じた日本総研(JRI)の特徴
事業内容や特徴
おもに三井住友フィナンシャルグループのIT戦略を担っています。三井住友フィナンシャルグループと言えば、
- 三井住友銀行
- 三井住友ファイナンス&リース
- SMBC信託銀行
- 三井住友カード
- SMBC日興証券
と言った銀行や証券、リースやカードなどの三井住友系列の金融機関を総じて指しています。
日本総研では、特に銀行系やカード系の分野に強みを持っています。
元々外販も行っていましたが、その業務はJSOL(NTTデータの子会社)に業務を移管しています。そのため、日本総研は三井住友フィナンシャルグループを中心とした内販がメインと思って良いです。
同業他社をまとめると、
- 日本総研(JRI):三井住友フィナンシャルグループの内販が中心
- 三菱UFJインフォメーションテクノロジー(MUIT):三菱UFJフィナンシャルグループの内販が中心
- みずほ情報総研(MHIR):みずほフィナンシャルグループの内販+同業他社の外販もあり
と、日本総研は三菱UFJインフォメーションテクノロジーと似ています。一方でみずほ情報総研は外販も手掛けているので、銀行系SIerとは差別化もできています。
三菱UFJインフォメーションテクノロジーとの差別化としては、同じSierでも日本総研はシンクタンク系の意味合いが強いように感じます。そういう意味では、NRI(野村総合研究所)や三菱総合研究所、みずほ情報総研と言った企業と比較されることもあります。
シンクタンクの意味合いが強いと言えども、新卒採用での多くはSEです。このようなシンクタンク部門希望で入社するのは、難易度がかなり高いでしょう。MARCHレベルなんて鼻で笑われるレベルです。
業務内容は同業他社と同じように事業会社のIT戦略を担っています。言い換えると、三井住友銀行や三井住友カードなど、三井住友フィナンシャルグループにおける事業戦略を実現するためのIT企画を行っており、主に上流工程を担当したり、設計製造のマネジメントを行っています。
日本総研(JRI)でできること
①ビジネスを通して社会に貢献できる。
人生における様々なライフステージを支え、企業活動のあらゆるステージに寄り添いその活動を支援します。つまり企業や産業、社会の発展を支えられます。
②知力を総動員して複雑な世界に挑戦できる。
絡みあう仕組み、膨大な取引量、重要な情報を結びつける。
③大規模なプロジェクトのマネジメント
金融系の仕事といえば、大きなプロジェクトがたくさんあります。そのような仕事について、全て自社だけで行うのは難しいので、協力会社にも入ってもらいます。
特に製造工程やテスト工程はそのような協力会社に発注するため、マネジメント能力も求められます。
④テクノロジーの追求
テクノロジーを調査・研究し、複合的に組み合わせて新たな金融サービスを検討する。また、特許取得も年間80圏程ある。
福利厚生や勤務地
家賃補助が単身であれば3万、結婚しているのであれば4万円程度出るようです。独身寮は1万円程度で住めると公式HPに載っておりますので、SIer系の中では良い待遇です。その他にも結婚祝金が3万円出たり、旅行が安くなったり、昼食代が別途支給されたりと、福利厚生に関しては申し分がなさそうです。
東京か大阪の2つの配属です。基本的には希望通りになる模様ですが、関西志望の場合は希望が通らない場合もあるようです。先輩社員の口コミから得た情報です。
本社は大崎駅のビルで、徒歩10分ぐらいの距離です。多くの方々はここで働くため、山手線の通勤ラッシュが気になります。しかし湘南新宿ラインなどで新宿、埼玉方面に向かってかるのであれば座れる確率も高いので結構おすすめな勤務地です。
給料の推移
入社1年目は400万円程度、それが入社4年目になると昇格し600万円(内残業代10万円/月)ほどにもなるようです。
10年目で800万円程度。そこからは大幅な上昇が見込めなくなるものの、管理職になれば1,000万円を超えるようです。基本的なベースは年功序列ですが、管理職になるにはある程度の実績が必要です。
とは言ってもこの給与水準はSIerの中でも高いほうです。特にユーザー系SIerという性質上、トップ水準と言っても過言ではありません。
実際に働いている社員からの日本総研(JRI)の口コミや評判
ここからは実際の転職サイトに載っている口コミや評判を紹介していきます。あくまでネット上での話です。できるだけ座談会やOB訪問にて自分の耳で確かめてみましょう。
良い口コミ・評判
- 有給休暇取得率は全社的にも70%以上。100%取得する人もいる。
- 10年目、20年目になるとリフレッシュ休暇で8万円または15万円の旅行券が貰える。
- 人を責めたり怒鳴るような人もいなくて、のびのび仕事ができる。
- 小規模案件であればプロパー社員1人で対応するので、若手の内から裁量権を与えられる。
- システム開発の知識がなくても、新人研修等学べる環境が整っている。
- システム開発の上流工程から下流工程まで全行程を経験できる。
- PCでログで管理されているので、残業代もしっかり出る。
- 育休、産休、介護休暇などの制度が充実している。
- 産休、育休後も元の職場に戻りやすく、女性でも長く安心して働ける。
- 特定の福利厚生業者と提携していて、旅行や買い物、チケットなどが割引される
- 基本的に年功序列に評価が上がっていく。
- 一般職と総合職の転換は入社後でも可能。
- 三井住友HDの100%子会社なので倒産する可能性がない。
三井住友HDの良いところを表現しているようなシステム子会社です。ユーザー系SIerではよくある『働きやすい環境』であると思います。
悪い口コミ・評判
- 一般的にやり甲斐を感じないとされる仕事の方が多い。
- プロジェクトマネジメントに注力してきたかと思えば銀行業務スペシャリストを育成しようとしたり、セキュリティ、AIなどの技術系スペシャリストを育成しようとしたりでどこに軸足を置こうとしているのか不明。
- 管理職に女性がほとんどいない。
- 独身者はほとんど福利厚生の恩恵を受けない。
- プロジェクトになると顧客先やデータセンターで働くこともある。
- 年功序列に近い評価制度で、自分の業績結果に対して上司からのフィードバックがない。
- 評価方法と評価結果がブラックボックスなので納得感がない。
- 労働組合がないため、会社と正面に立って戦う力がない。
- 喫煙者率が高い。ニオイが気になる。
- どれだけ頑張ってもボーナスに反映されない。
- 銀行系の会社なのに、ローンが安くなる福利厚生などが少ない。
口コミや評判はネット上の噂に過ぎません。百聞は一見に如かず。口コミサイトで調べるのも良いですが、時間があればOB訪問も積極的に行いましょう。特に志望度が高い企業であれば尚更です。
ビズリーチ・キャンパスならば自宅からOB訪問を申し込めます。わざわざ大学のキャリアセンターに出向く必要がありませんので時間短縮の面でもおすすめです。
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日本総研(JRI)の選考フロー
日本総研での選考フローは以下のとおりです。
- 説明会
- ES&テストセンター
- 複数回面接
- 内定
のように、おおよそ他企業と同じようなスケジュールです。
ESの内容
①チームでの役割
高校まではリーダーになったことはなかったが、大学からリーダー的なポジションになった。例えばアルバイトでは一番長く勤めていたので、率先してリーダー的なポジションになったりしました。しかし、どちらかと言うと前で引っ張っていくタイプではなく、後ろから置いてきぼりの人がいないかを見守るポジションだと思っています。
②学生時代最も力をいれたこと
高校時代のサッカーです。怪我をしてしまった時に自分に何ができるかを考え、チームと個人の2つの側面を考えました。チームについてはみんなが良い環境で練習できるようにとグランド整備や水の補給を率先して行いました。また、外から見ることで見えてくることをアドバイスしたりしました。個人としては、自分でできるトレーニングをコーチに相談し、実践しました。結果的には試合に出ることができませんでしたが、しっかり置かれた環境を理解し行動することで、人間的に成長できたと感じています。
③日本総研に共感したこと
説明を受ける前は、顧客からの依頼に対してただシステムを作るだけかと思っていましたが、貴社は三井住友FGの一員で、一緒にシステムを作ろうとする姿勢に共感しました。そのようなところから新たな価値を生み出せると考えています。
1次面接
学生3人に面接官2人です。最初は自己紹介から入り、『学生時代頑張ったことなど通常の質問が来たな。』と思ったら、そこから派生する質問が他社とはまったく違いました。
例えば、下記のような質問です。
- なぜあなたは大学生のこの時期に就活をしているのか
- 日本の就活制度についてどう思うか
- モチベーションとは何か
- モチベーションを構成する3つの要素は何か
- カードゲームってどうしたら広められると思う
上記は私以外にも質問された内容を含んでいますが、3人とも苦しい答えを振り絞って出しました。感想としては『さすがシンクタンク』と思いました。
就活している中で一番難しい質問で、一番難しい面接でした。間違いなく一番難しい企業でした。抽象的な質問から、具体性を見出しているのだと感じました。
日本総研(JRI)就活生の学歴
一緒に面接したのは慶應と青山でしたので、早慶MARCHあたりかと推測できます。
東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、東京理科大学、上智大学、津田塾大学、京都大学、大阪大学、東京工業大学、電気通信大学、首都大学東京、立教大学、法政大学、国際基督教大学、筑波大学、名古屋大学、九州大学、東北大学、岡山大学、広島大学、千葉大学、関西学院大学、関西大学、同志社大学、立命館大学、明治大学、青山学院大学、中央大学 他
引用;リクナビ2021
実際にリクナビでの採用大学を確認すると、MARCHが最底辺であることが分かります。同業他社と比較しても、かなりハイレベルです。正直、ニッコマレベルの学生には狭き門でしょう。
他の就活生(内定者)が使用していた日本総研(JRI)の志望動機を紹介
箇条書きで日本総研の志望動機を紹介していきます。志望理由に正解はありませんので、自分の言葉で伝えられるようにしましょう。
- 三井住友FGの責任感あるシステムを扱えるため
- SMBCという日本中で多くの人々が利用するシステムを開発しているため
- SMBCなので安定的な仕事ができると感じたため
- 人々の生活に密着していて、多くの人に貢献できるため
- 金融×ITのプロフェッショナルになれるため
- 絶対にミスを起こせない責任感ある仕事のため
- 社会インフラとしての金融システムの構築を担っていることにやりがいと責任感を感じるため
- 利益ではなく本質を追及している点
- 内販100%のため、利益よりもグループの発展を一番に考えることができる点
- 若い内からPMを経験できるため
- 大規模なプロジェクトに関われるため
- 研修や教育がしっかりしており、自己成長できる環境が整っていると感じたため
- インターンシップを通して社員の雰囲気が合っていると感じたため
多くの方が志望動機にしているキーワードは1つにまとめられます。『三井住友フィナンシャルグループという大規模なシステムに関われる』です。これでは三菱UFJインフォメーションテクノロジーでも同じことが言えますので、なぜSMBCなのか。の説明ができるとより良いです。
私が選考で使用していた日本総研(JRI)の志望動機
私も志望動機では三井住友フィナンシャルグループを通した大規模なシステムに関われることを使用していました。
- 三井住友フィナンシャルグループの大規模なシステムに携われ、多くの人々に影響を与えられるため
- 銀行だけではなく、クレジットカードやリースなど様々な金融業務知識が身につくと感じたため
個人的に『大規模なシステムに関わり、できるだけ多くの人に影響を与えられる。』を就活の1つの軸にしていましたので、これに当てはめました。
多くの方々もこの『大規模システム』と『銀行以外の金融知識』の2点で攻めてくることが見込まれますので、ここに自分自身の経験を混ぜ込めれば良いですね。
私の場合は
- 今までお世話になった人への恩返しがしたいため、より人々の生活に影響を与えられるシステム
- 手に職を付けたいため、IT×金融のプロフェッショナル。中でも幅広い金融知識を付けたい
と言っていたような気がします。
日本総研(JRI)の選考結果&まとめ
1次面接落ちです。この企業だけは本当落ちて納得しました。相当難しいので、対策は必須だと思います。対策とは自己分析を徹底的に行いましょう。
また、給料もSIerの中ではトップ水準だと思われ、ビルも綺麗で行きたかった企業の一つでした。