何となくSIerという業界を目指しているけど、実際にどのような業務、どのような業界に関わりたいかイメージできていない就活生も多いでしょう。
実際に私もそうでした。働いたことないからそんなイメージは難しいですよね。ただ、そんな私でもSIer数社から内定を貰うことができています。
今回はそのような何となくSIerに行きたいと思ってる方に
- どのような仕事(上流工程、プログラミングなど)に関わりたいのか?
- どのような業界(金融相手にシステム開発など)に関わりたいのか?
と、SIer企業において頻出質問が来た際に、どのような受け答えをしていたのか紹介していきます。
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SIerの面接では何を聞かれる?仕事内容の質問は大きく分けて2つ!
まずSIerという特性上、仕事内容についての質問は下記の通り大きく2つに分類されます。
- どのような工程(上流、下流など)に関わりたいのか
- どのような領域(業界)と関わりたいのか
ほとんどこの2つに分類することができます。中には少しマニアックな質問もあるかもしれませんが、まずはこの2つの回答案から考え、少しずつ深堀りしていけば良いかと。
ちなみにそもそも、
と思うような方は、以下の記事をまずは参考にしてみてください。
また、これから解説していきますが、SIerはシステムインテグレーター(Systems Integrator)の略です。システムをインテグレートする。
つまり何かしらのシステムを統合させたり統一させるような意味合いです。このことを頭に入れてこれから読んでみてください。
まずはSIerの仕事内容を理解する!
SIerの仕事は大きく上流工程と下流工程に分けられます。
会社によっても若干異なりますが、
- 要件定義から基本設計・外部設計工程までを上流工程
- 内部設計からテスト工程を下流工程
と分けることが多いです。
つまり、事業会社と要件を詰めてシステムに落として行くのが上流工程の役割、下流工程ではプログラミングやテストを中心に行います。
一般的にはユーザー系や大手メーカー系、コンサルのような企業が上流工程を担い、独立系のような下請け企業が下流工程を担います。これが基本的なSIer業界の構造です。
- ユーザー系SIer:上流工程がメイン
- メーカー系SIer:上流工程から下流工程までプロジェクトによって異なる
- 独立系SIer:下流工程がメイン
そして、SIerのステップアップと言えば、下流工程に関わっていたところから、上流工程に関わるようなことを指すことが多数です。上流工程から下流工程へ関わることはステップアップとはあまり呼びません。
これを踏まえて『どんな工程に関わりたいか?』の質問に対する回答案を考えておきましょう。
SIerで『どんな工程に関わりたいか?』と質問が来たら何て答えるべきか?
これまでの記事で上流工程が何をしているのか、下流工程は何をしているのか何となく分かったのではないでしょうか。
恐らく多くの就活生にとってはSIerで働いたことがないため、『上流工程が向いている』とか『下流工程のやりがい』などは、ほとんど分からないでしょう。
そのため、どのような工程に関わりたいのか決まっていない方は、『まずは下流工程から経験を積み、徐々に上流工程にも関わっていきたい』のような無難な回答をすれば良いと思います。
なぜ下流から上流に?と聞かれた際には、
- お客様(事業会社)の課題解決をしたいため最終的には上流工程を志望
- まずは下流工程を経験するからこそ、上流工程に活かせると考えている
のように、『将来的に上流工程に関わりたいため、まずは下流工程から経験を積む』のようなニュアンスさえ言っておけば大丈夫です。それ以上は突っ込まれないでしょう。
また、独立系だからと言って一生下流工程に携わるのではなく、上流工程に関われるような会社もあります。だからこそ、このような回答はユーザー系SIerのみならず、メーカー系や独立系でも十分使ってもらって構わないと思っています。
中には下流工程のみの企業もありますが、そこら辺は企業研究を行い各々分析してみてください。
SIerはどのような業界と仕事ができるのか?
このような質問はメーカー系SIerや独立系SIerでよくある質問です。なぜなら、ユーザー系SIerであれば、基本的には事業会社(親会社)のシステムに関わりますので、このような質問は少ないです。
事業会社のシステムに関わると言えば、例えば
- (銀行)三菱東京UFJ → 三菱UFJインフォメーションテクノロジー
- (生保)日本生命 → ニッセイ情報テクノロジー
- (損保)東京海上日動 → 東京海上日動システムズ
- (商社)三井物産 → 三井情報システム
のような企業が当てはまります。基本的に同じグループのシステム開発を行うことを、ユーザー系SIerの中でも内販と呼んだりしています。
一方内販の反対に外販と呼ぶこともあります。内販は同じグループ(三菱UFJインフォメーションテクノロジーは三菱UFJ)のシステム開発をすることでしたが、外販は全く関係の無い企業のシステム開発をします。
例えばイメージしやすいため具体的な企業名を出すと、
- 銀行系SIerのみずほ情報総研が地銀(横浜銀行)のシステム開発を行う
- 生保系SIerのニッセイ情報テクノロジーが損害保険(あいおいニッセイ同和損保)のシステム開発を行う
- 証券系SIerのNRIが製造流通(セブンイレブン)のシステム開発を行う
のようなイメージです。
このように外販もあるユーザー系SIerの場合は、グループ内の事業会社(親会社)のみならず、全く関係のない企業のシステム開発を行う場合もありますので、ある程度融通はききます。
また、独立系SIerやメーカー系SIerは他社(事業会社)のシステム構築が仕事ですので、様々な業界のシステムに関われる事ができます。そのため、面接に臨む前にはどのような業界と関わりたいのかまとめておきましょう。
学生自体に無縁だったITに何となく関わりたい方、学生時代にプログラミングなど情報処理に関わっていたけど、特に希望が無い方もいるかもしれません。私も特定の業界に希望はありませんでしたので、面接でどのような受け答えをしていたのか次に紹介します。
SIerの質問で『どんな業界に関わりたいか?』と聞かれたら何て答えるべきか?
こちらもSIerの面接では頻出の質問です。特にメーカー系SIerや独立系SIerでは、どこかしらのタイミングで聞かれると思ってください。
SIerを志望している就活生の中には上記のように、何となくSIerで働きたいけど、特定の業界と関わりたいという希望がない方もいるでしょう。
実は私もそうでした。学生時代の経験からSIerを志望していましたが、銀行や生保、損保や証券など特定の業界に関わりたい強い気持ちはありません。
私がよく使っていた回答は、
まだ働いたことがないので特定の業界に拘りはありません。研修や入社後に実際に働いてみて、どんな業界に興味を持つのか探していきたいです。また、様々な業界に関われることは御社の強みだと理解しています。
のように答えていました。
確かにこんな回答だと不安に思う方もいるでしょう。でも、何社もこのような動機で潜り抜けて来ましたし、座談会やOB訪問でお話した先輩社員もこのような回答をしている方が多数見受けられました。
特にNECや日立、富士通などの大手ベンダー会社に入社した方ほど、
- やりたいことがなくて、やりたいことを見つけるために入社した
- やりたいことがないけど、何でもできそう
のようなニュアンスを志望動機に使っていた方が多かったです。このように就活時にやりたいこと(どんな業界と関わりたいのか)が決まっていなくても問題ありません。
ちなみに強いて言えばと言われれば、私は教育系に関わりたいと言っていました。それは教育実習の経験からです。教育の現場はまだまだアナログでしたので、昨今溢れる技術を使えば、より質の高い教育を届けられると感じています。
もちろんユーザー系の方は事業会社(親会社)に合わせた志望動機が必要ですし、特定の業界に関心がある方はそれを言った方が良いでしょう。内販のみユーザー系SIerを狙っている方は、以下に業界別の志望動機をまとめていますので、参考にしてみてください。
【まとめ】何となくSIerに行きたいけどやりたいことが見つからない場合はこのように答えろ!
これまでの記事を読めば、
- 上流工程とか、下流工程とか知りません。
- 特定の業界と関わりたいとかありません。
のようにとりあえずSIerに入社したいという方でも、受け答えする案が分かったと思います。
もちろんしっかりとした動機があれば一番良いですが、入社後に意欲を見せることで、カバーすることができます。
ちなみに私はリクルーターとして活動をしたこともありますので、どのような観点で見ているのか紹介していますので、もし興味があれば以下の記事も参考にしてみてください。