ユーザー系SIerを見ている人は薄々感じ出す親会社からの出向者の存在。先日このような記事を紹介しました。
この記事に辿り着いたということは、もしかしてユーザー系SIerに入るよりも、親会社本体(事業会社)に入社した方が良いのではないか?と思う方もいるのではないでしょうか。
多くの企業ではITやシステム部門への配置は総合職の中の一つです。そのため、
- 面接ではシステム部門を希望って言ったんだけど、蓋を開けたら営業
- 本当は営業希望だったんだけど、IT部門の配属
のような本人の希望とアンマッチすることも起こり得ます。
しかし、最近では企業もITやシステム、あるいはデジタライゼーションの重要性を理解してきており、IT部門、システム部門専用の採用を行っている企業も増えてきています。特に明確にその部門を募集しますと謳っている企業もあるほどです。
そのため今回はIT部門、システム部門専用の採用を行っている企業を紹介します。調べてみるとユーザー系SIerをシステム子会社に持っている親会社(事業会社)が多いです。
もし、ユーザー系SIerを見ているのであれば、このような親会社(事業会社)に視野を広げてみるのもおすすめです。
Contents
銀行でIT・システム部門を募集、採用している企業は?
三菱UFJ銀行【銀行NO.1の企業】
三菱UFJインフォメーションテクノロジーをシステム子会社として持つ三菱UFJ銀行においても、IT・システム部門を募集しています。
私も学生の時に三菱UFJ銀行のシステム選考に進みました。システム部門の方と座談会もあり、その時に三菱UFJインフォメーションテクノロジーへ出向する社員もいると教えてもらいました。
ただし、銀行という特性上、面接回数が未知数です。しかも私の場合、面接の日程調整は電話で行われ、すぐに会いたいから明日来てくれないか?のようなニュアンスで調整されました。ここで断ってしまうと、切られるとの噂もありますね。
三井住友銀行【業界トップクラスの企業】
もちろん三井住友銀行にもIT・システム採用はあります。システム戦略を担う日本総研ですら高給取りと言われていますので、こちらもチャレンジしてみる価値はあります。
さらに明確に募集人数まで記載されていますので、明確に人材を欲している姿勢が伺えます。
みずほ銀行はシステムコースがない!
三菱UFJや三井住友銀行と比べられるメガバンクの一つですが、明確なIT・システム採用はありません。あくまでオープンコースとして採用し、適正があればシステム部門への配置です。
システム子会社のみずほ情報総研では大規模なシステムリリースがあったのが記憶に新しいでしょう。
しかし、IT・システム採用がないのは、事業会社がIT部門を軽視していませんか?と思ってしまいますね。
りそな銀行にも採用があります
これは意外でしたが、りそな銀行にも専門職としてIT・システム採用を行っています。
りそな銀行と言えば、システム子会社を持っていません。その代わり、NTTデータソフィアや独立系SIerのAGSが主要な取引先です。3行のメガバンクよりも格は劣りますが、一つ視野に入れても良いかもしれません。
地銀(地方銀行)には採用枠があるのか?
地方銀行は数多くあり、全てを調べるのは困難です。代表的な横浜銀行や武蔵野銀行、スルガ銀行や静岡銀行などはIT・システム採用はありませんでした。横浜銀行のシステムに関わりたいのであれば、NTTデータフォースに入社するのも一つの手です。
しかし、千葉銀行のみ『デジタルイノベーションコース』として採用コースがあります。データ分析やシステム開発と記載があります。データ分析とも書いてあるため、データソリューション的な一面が強いかもしれませんが、システム開発とも書いてあるのでIT採用と思って良いでしょう。
生命保険会社でIT・システム部門を募集、採用している企業は?
日本生命【生保業界NO.1の企業】
業界トップクラスの日本生命でも、もちろんIT・システム採用を行っています。ニッセイ情報テクノロジーをシステム子会社に持つこともあり、システムの重要性は増していくでしょう。
ニッセイ情報テクノロジーは外販にも力を入れており、これからも成長し続ける意思を感じられます。
第一生命【生保二大巨頭の一角】
日本生命と業界トップを争っている第一生命でも、もちろんIT・システム部門の募集があります。第一生命テクノクロス(第一生命情報システム)を子会社に持っており、時には出向ということもあります。
明治安田生命
明治安田生命にもIT・システム部門の採用があります。日本生命や第一生命と同様に、明治安田生命にもシステム子会社でもある明治安田システムテクノロジーを持っています。
大手生保会社ではどこもIT採用をしていますので、もしユーザー系SIerを見ているのであればこちらも視野に入れてみましょう。
その他生保会社はIT・システム採用がないのか?
例えば売上高トップクラスのかんぽ生命ではIT・システム採用を明記していません。かんぽ生命のシステム構築を担っている主な企業としては、かんぽシステムソリューションズがあります。勤務地は大崎ブライトタワーという2016年に建った比較的新しいビルなのが嬉しいですね。
同様に住友生命やフコク生命と言った準大手企業でも明確なIT・システム採用はありません。これらはそれぞれスミセイ情報システム、フコク情報システムと言ったシステム子会社を持っていますので、そちらに入社するのも一つの手です。
損害保険会社でIT・システム部門を募集、採用している企業は?
東京海上日動火災保険【損保NO.1の企業】
損害保険業界の大御所でもある東京海上日動では総合職SPECのグローバルコースとしてIT戦略部門を募集しています。
実は私も筆記試験に合格し、1次面接まで進みましたが、格が違いますね。筆記試験時に学生証を机に置く必要があったのですが、東大京大レベルがゴロゴロいます。正直MARCHレベルからSPECコースに入社するのはほぼ不可能でしょう。
東京海上日動システムズはまったり働ける内販企業としても有名ですので、志望企業の一つに入れておきたいです。
三井住友海上火災保険【利益率は業界トップクラス】
MS&ADグループの中核を担っている三井住友海上では『スペシャリストコース』と『外国人留学コース』でIT・システム部門の人財を募集しています。
三井住友海上と言えば、利益率だけを見ると東京海上日動火災保険にも匹敵する企業です。MS&ADシステムズは高田馬場拠点にあり、多摩の東京海上日動システムズ、立川のSOMPOシステムズと比較して都会で働くことができます。
『損保ジャパン』や『あいおいニッセイ同和損害保険』は総合職に含まれる
損害保険会社の大手4社の中でも、損保ジャパンとあいおいニッセイ同和損害保険は特別IT、システム採用をしているわけではありません。
上記2社は、あくまで総合職や地域職の中から適正のある社員を配置しているようです。そのため、ITやシステム部門を志望していても、必ずしもその部門に配属されるわけではありません。
そういう意味では、東京海上日動火災保険や三井住友海上火災保険を志望した方が良さそうです。
証券会社でIT・システム部門を募集、採用している企業は?
SMBC日興証券【珍しい銀証連携】
SMBC日興証券にもIT・システム採用があります。システム子会社には日興システムソリューションズを持っています。人事曰く、SMBC日興証券に入社しても、若い内は日興システムソリューションズに出向する可能性が高いとのことです。
出向しながら親会社の給料を貰えるのは嬉しいポイントです。ちなみに日興システムソリューションズはユーザー系SIerの中でも初任給が比較的高い部類に入ります。また、住宅手当も完備されていますので、個人的におすすめNO.1の企業です。
大和証券
野村證券に次ぐ証券業界第二位と言われている大和証券でもITに・システム採用があります。部門別コースとして応募すれば良いでしょう。
ちなみに大和証券のシステム子会社として大和総研もあります。こちらもシンクタンク業務も担っているので、就職難易度が高いと言われています。
その他みずほ証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券にも採用があります
募集要項までは載せませんが、みずほ証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券にもIT・システム採用枠があります。
モルガン・スタンレー証券の場合、入社初年度は本支店の事務部門に配属され、その1年後にシステム部門へ異動となります。まずは現場の事務業務がどうなっているのか学んでから、システム部門に配属となるため、より業務フローも理解できて良いSEになれるでしょう。一方で、本支店への配属が嫌な方は避けたほうが無難です。
意外にも野村證券には採用枠がありません
ユーザー系SIerの枠を超えて日本を代表するようなSIerでもある野村総研ですが、その親会社(事業会社)の野村證券では明確なIT・システム採用は見つけられませんでした。
少し意外でしたが、野村総研だけで十分ということでしょうか。もし見つけた方は教えて下さい。
その他一般的な会社でIT・システム部門を募集、採用している企業は?
サントリー
『やってみなはれ』が合言葉の飲料メーカーのサントリーです。サントリーと言えばビールのイメージが強いでしょうか。デジタルテクノロジーとデータソリューションの意味合いが強い部署もありますが、ITコンサルといった部門はIT・システム採用と言っても良いでしょう。
私は最終日にESを提出しようと思ったのですが、サントリーのサーバーがダウンしてエントリーすることができなかった苦い思い出があります。ES提出は早めにしましょう。
キリン
ビールメーカーでサントリーとトップを争っているキリンHDにも明確なIT・システム採用があります。やはり業界の中でもトップを争うような企業はITに対して強い意志を感じます。
アサヒビールやサッポロビールにはこのようなIT・システム採用はありませんでした。
JAL(日本航空)
JALにも明確にIT・システム採用があります。航空と言えばあまりシステム的なことを思いつく方は少ないので、もしかしたら穴場と言えるかもしれません。
IT・システム採用が無いからと言って、新卒を募集していない訳ではない
多くの企業ではIT部門への配属は0~2名程度です。そのため、総合職や総合事務職と言った採用枠の中に含まれていることもあります。
でもこれって就活生の立場からは見えにくい部分です。どの程度の採用枠があるのか知りたい場合は人事部門よりもOB訪問して聞いた方が必要な情報を得やすいです。
私の体感ですが、新卒採用の人事部門はあまり具体的な人数を言わない傾向があります。そのため、IT部門の先輩社員にOB訪問することで、
- 例年は何人程度IT部門に配属されているのか
- 配属直後に関連システム会社へ出向などあるか
など、IT部門の実情を知ることができます。
特にビズリーチ・キャンパスであればやる気のある社員だけが登録しています。大学のキャリアセンターから申し込んだけど、
- メールアドレスはエラーとなって帰ってきた
- 送れたようだけど返信がない
など連絡が付かないことが多々あります。それもそのはずで、キャリアセンターに登録しているメールアドレスは、卒業時に無理矢理書かされる場合が多いからです。
一方でビズリーチ・キャンパスは自分の意思で後輩のために力になりたい社会人が登録しています。そう考えると、連絡の付き易さはビズリーチ・キャンパスの方が圧倒的に上であることが分かるでしょう。
志望企業のIT部門、情報システム部門の方がいたら積極的にOB訪問をしてみましょう。
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【まとめ】ユーザー系SIerを見ていれば、親会社のIT・システム部門にも視野を広げよう!
多くの企業では総合職や総合事務職の一部にIT・システム採用があります。一方で、明確にIT・システム採用をするような企業は、ITに対して強い意志を感じます。
特に業界トップを走るような企業に多くIT・システム採用が見受けられました。
もしSIer業界を志望しているのであれば、このような親会社(事業会社)のIT・システム採用に視野を広げることで、自分のキャリアプランも広げられるかもしれません。
また、ユーザー系SIerに合格できないと親会社のIT部門から内定が出ない訳ではありません。それぞれ欲している人材・素質は全く別ですので、ユーザー系SIerの選考は落ちたけど、親会社のIT部門から内定が貰えることも十分あり得ます。
自分の能力を過小評価せず、視野を広げてみましょう。
IT部門の実情を知りたいのであれば、OB訪問がおすすめです。積極的に活用しましょう。
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